生体NOのバナジウムによる制御を目指したインスリン様バナジウム錯体の開発研究
Project/Area Number |
11877380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
桜井 弘 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30065916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 裕之 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (20278443)
田和 理市 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (80142587)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | NO / ストレプトゾトシン / β細胞 / 血糖値 / 電極法 / バナジウム / NO(一酸化窒素) / バナジウム錯体 / インスリン / 糖尿病 |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)は、生体内でグアニル酸シクラーゼを活性化して平滑筋弛緩や血小板凝集阻害作用を示す一方、アコニターゼ、シトクロムP450やヘモグロビンなどのタンパク質や酵素の活性中心に結合して機能を抑制するなど多様な作用を持っている。 我々は、実験的I型糖尿病のモデル動物としてストレプトゾトシン(STZ)を投与したラットの膵臓β細胞の破壊にNOが毒性因子として関与していることを昨年報告した。またSTZは、in vitroで自発的にNOを放出することも確認した。 そこで本年度は、STZによるβ細胞の破壊はSTZから生成するNOが膵臓β細胞に対して部分的に傷害を与え、また活性化されたMφのi-NOSによって産生される過剰のNOにより障害が増悪された結果からもたらされるのではないかと考え、STZを投与したラット膵臓におけるNO発生を発症初期から糖尿病状態に至る過程で検討した。 STZ投与後6時間までの膵臓におけるNOの発生を、電極法で測定した結果、STZ投与後1〜4時間にかけて血糖値の上昇が見られ、6時間後にβ細胞破壊による多量のインスリンが血中に放出され、一過性の低血糖が見られたが、その間NOの発生は観察されなかった。その理由として、STZから放出されるNOが微量だったため検出されなかったか、もしくは発生してもただちに・O_2^-と反応した、という2点が考えられた。 糖尿病を発症させたラットの膵臓でのNOを測定した結果、STZ投与2日後と21日後にNOの有意な増加が観測された。投与2日後の増加は誘導されたMφのi-NOSによるものと考えた。その後NOは一度低下した後、増加してゆく傾向が見られた。 本成果にもとづいて、NOレベルを制御するバナジル錯体が、有効な糖尿病治療薬になりうる概念を形成しつつある。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)