骨形成因子が神経栄養因子活性を持つことの生物学的意義の解明
Project/Area Number |
11877385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
河野 通明 長崎大学, 薬学部, 教授 (00027335)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 骨形成因子 / TGFβスーパーファミリー / 多機能因子 / 神経栄養因子 / PC12細胞 / p38MAPキナーゼ / GABA作動性神経細胞 |
Research Abstract |
1.骨形成因子(BMP)-2は、胎生16日目のラット胎仔脳より単離した線条体神経細胞の生存をコントロ-ルの約2.4倍と顕著に促進し、これは検討した他のTGF-βス-パ-ファミリ-因子の中では最も高活性であった。また、BMP-2は線条体神経細胞の生存維持だけではなく、神経突起の伸長をも顕著に促進した。次にBMP-2の上記両活性の濃度依存性を検討した結果、いずれも0.01ng/mlという低濃度から誘起され、それはいずれも1ng/mlで最大となった。なお、BMP-2がその生存を維持した神経細胞は、線条体神経細胞の大部分を占めるGABA作動性神経細胞であった。さらに、BMP-2の線条体GABA作動性神経細胞に対する生存維持活性は、グリア細胞増殖抑制剤(5-FdUR)の存在下においても全く影響を受けなかった。これより、BMP-2は線条体GABA作動性神経細胞の生存を直接的に維持するという新たな機能を持つことを明らかにした。 2.BMP-2の神経栄養因子作用発現のシグナル系を、BMP-2刺激に応答して神経様細胞への分化が誘導されるPC12細胞を用いて解析した。その結果、(i)BMP-2刺激したPC12細胞においては特徴的にp38MAPキナ-ゼが活性化される、(ii)p38MAPキナ-ゼに対する特異的阻害剤(SB203580)はBMP-2のPC12細胞に対する神経様細胞分化誘導作用を濃度依存的の阻害する、(iii)BMP-2のPC12細胞に対する分化誘導作用は、p38MAPキナ-ゼのリン酸化/活性化に直接関与するMKK3/6のDominant Negative遺伝子の導入によって選択的に抑制される、(iv)MKK3/6のConstitutive Active遺伝子の導入はPC12細胞を神経様細胞へと分化誘導し、それはSB203580添加で阻害される、ことなどを見出した。即ち、BMP-2はp38MAPキナ-ゼ系の活性化を介してPC12細胞を神経様細胞へと分化誘導することを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)