冠動脈疾患の危険因子としての抗クラミジアニューモニエ抗体価の臨床的意義に関する研究-内皮細胞由来血管作動性物質と凝固系分子マーカーからの基礎的検討-
Project/Area Number |
11877420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
高橋 伯夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (80094431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮山 豊 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140264)
小坂 知也 関西医科大学, 医学部, 助手 (10298862)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | クラミジアニューモニエ / 動脈硬化症 / 虚血性心疾患 / 一酸化窒素(NO) / 炎症 / 高感度CRP / ヘリコバクターピロリ / 凝固・分子マーカー |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて症例数を増し、冠動脈疾患(心筋梗塞症、狭心症)で入院した患者から採血し、抗Chlamydia.Pneumoniae、および抗Helicobactor Pylori特異的IgA,IgG抗体価を市販検出キットを用いて測定した。また健常対照として検診受診者、病的対照群として有意狭窄を認めない異型狭心症症例を用いた。高抗体価を認めた症例については1・3カ月毎に採血し、経過中の変動を調査した。また、抗体価とともに高感度C-反応性蛋白などの炎症マーカーを改良ラテックス凝集法(高感度法)により測定した。その結果、全体として解析するとIgG抗体価は加齢とともに有意に上昇し、IgA抗体価は逆に加齢に伴って低下した。これを病態別に分類して解析する〓〓健常対象、異型狭心症、労作性狭心症、陳旧性心筋梗塞などの群ではいずれも全体での解析結果とほぼ同様〓あったが、急性心筋梗塞症患者群ではIgA抗体価が加齢とともに上昇した。このような現象がクラミジアに特有であるか否かを検証するためにヘリコバクターでも同様の検討を行ったところ、IgG抗体価は各群間で有意差がないのに反し、IgA抗体価は急性心筋梗塞群でのみ著明に高値を示した。以上から、急性期の感染と持続感染(細菌寄生)を示唆するIgA抗体価の高値は動脈硬化症の増悪要因としてクラミジアやヘリコバクター感染が現実に機能していることを明確に示していると言える。そこで、次に急性心筋梗塞患者血液から単球を分離し、そのDNAを抽出して、PCR法で増幅して測定すると、検討した14例中で6例にクラミジアのDNAが存在することを明らかにした。したがって、日本人において、クラミジアの感染は、感染局所から単球に寄生したクラミジアが流血中を移動し、動脈硬化の初期病変であるプラークに滲入し、そこで感染を拡大して病変を急成長させて急性心筋梗塞を発症させるものと考えられる。同様の現象がヘリコバクターでも起こるものと思われる。さらに、この現象を裏付けるように炎症マーカーである高感度CRPが、冠動脈疾患患者で高値であることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)