Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲沢 富枝 山梨県立看護大学短期大学部, 助教授 (20279897)
古屋 洋子 山梨県立看護大学, 短期大学部, 助手 (80310514)
小野 興子 山梨県立看護大学, 短期大学部, 教授 (50279890)
中村 貴子 山梨県立看護大学, 看護学部, 助手 (60279916)
金子 道子 山梨県立看護大学, 短期大学部, 教授 (60091120)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
研究方法:平成12年8月〜10月にA県血液透析施設2ヵ所において,研究目的に同意を得られた青・壮年期血液透析患者4名に面接を行った.面接内容は,半構成的面接であり,患者の病に関するさまざまな思いを中心に面接した.面接対象者は,データは,対象者の了解のもとに逐語録をした.分析は,患者の会話の中から青・壮年期の自己概念の特徴を表現していると思われる部分を抽出し,患者の特徴を調べ,それをもとに看護のあり方を考察した.自己概念の表出の特徴を以下に示す. 結果: 1.Bさんの場合:透析導入期に,治らない病となってしまった自己と医療との責任について語っている.しかし,時間の経過や家族の支援を受けながら,透析治療を受けている以外の自己の本質は何も変わらないという「変わらない自己」を認められることにより,透析をしながら生活することを受け入れられている. 2.Cさんの場合:肉親の中で自分だけが負わなければならなくなった病に対し,自分の痛み以上に感じてくれている肉親に思いをぶつけることにより,やり場のない思いを発散しようとしている.また,自分の捉える障害者に,自分もなってしまったということが受け入れられず,身体的に力仕事を精一杯していた頃の自分と「寝たきり老人」のような現在の自分が一致しない. 3.Dさんの場合:「透析」であることを隠して仕事に従事している.身体が資本となる仕事をしていたDさんは「弱った自己」は,生活の糧を失うことにつながり,周りの人に気づかれないように常に緊張感をもちながら生活しいる.いずれ「弱る自己」となるまで,このまま頑張りたいと語る. 4.Eさんの場合:導入後仕事を辞めており,透析中心の生活をしている.しかし,周りの人に自己について語ることはなく,透析導入後1年半経過している. 考察:青・壮年期の自己概念は.透析による身体的自己の低下や社会的役割の喪失,また,「障害者」という社会的烙印を受けるという自己の思いによって自己を低下させてしまっていた.しかし,周りの支援によって自己価値を取り戻せている者がいる反面,それを封じ込み緊張感を持ちづけている者もいた.看護者は,プロセスを踏みながら患者の自己価値が維持できるように,関わることが重要であると考える.
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