科学技術リテラシーを論議するための新しい枠組を提案できるか-「専門家」対「非専門家」という二分法からの脱却を目指して-
Project/Area Number |
11878024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Science education
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Research Institution | Hiroshima University (2000) Ibaraki University (1999) |
Principal Investigator |
小川 正賢 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (80143139)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 科学技術リテラシー / 専門家 / 非専門家 / 人材育成 / 理工系人材 |
Research Abstract |
「科学技術リテラシーはどのように定義すればいいか」とか「近未来社会に生きる人々にとって必要となる科学技術リテラシーとはどのようなものだろうか」といった問題を、もっと生産的に議論するために、従来、暗黙裡に存在した(「科学技術専門家」対「科学技術非専門家」)という二分法的枠組を超えた新しい枠組を提起することと、その枠組が科学技術リテラシー論議に実際にどのような貢献をする可能性があるのかを探究するのが本研究の目的である。 本年度も、昨年に引き続いて、「つなぐ人材」としての新しいタイプの理工系人材育成の問題を検討してきた。昨年着手したサイエンス・マスターに関する研究成果は、日本科学教育学会年会で「アメリカにおける新しい科学技術系人材観-全米科学協議会の取り組みを例にして-」として発表した。また、科学技術情報のブレイク・ダウンとそれを担う新しいタイプの科学技術系人材を社会内部に介在させる方法を具体的に考察し、研究論文「科学技術系人材育成・配置論-現代社会を解読する方法論となるか-」としてまとめ、現在、日本科学教育学会の学会誌に投稿中である。さらに、具体的な事例検討として、昨年に継続して、科学系博物館、科学館における展示解説員の職務に着目した。日米の科学館を訪問調査しながら、展示解説員の職務のあり方やその育成プログラム、研修プログラムに関して検討してきた。この中で、日本の科学館展示解説員の実態が、このような「つなぐ人材」からはほど遠いものであることが明らかになってきた。多くの展示解説員が不安定な身分のあり、また、研修機会もほとんどない実態にあり、研修プログラムを提案しても、ほとんど、無意味であるほどに、ひどい状況にあることがわかった。本研究の範囲の外に多くの制度的な問題点が存在していることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)