Project/Area Number |
11878041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
兒玉 修 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (60136801)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 社会科教育 / 社会認識 / 態度 / 傾向語 / コミットメント |
Research Abstract |
本研究は、社会科教育において同時的ないしは統一的に育成されるべきであるとされている社会認識と態度の双方を、その論理的関連性において分析することによって、従来の態度概念が抱えていた問題点を克服することを主要課題とする。 本年度の研究においては、傾向語としての態度概念をコミットメント概念に吸収させることによって、より具体的に、社会科授業における学習者の主張行為には主張内容の適切性に対するコミットメントが伴うこと、及び、学習者が規範命題または評価命題を主張する場合には、普遍化可能性に対するコミットメントが伴い得ることを明らかにした。 主張内容の適切性へのコミットメントとは、自らの主張内容が、一定の推論のなかでの前提ないしは結論として適切な役割を果たすことに学習者が同意せざるを得ないという意味でのコミットメントである。すなわち、学習者は自らの主張内容から適切に推論できる内容に対してコミットすると同時に、その推論そのものの適切性に対してもコミットすることになるのである。 普遍化可能性に対するコミットメントとは、学習者が一定の規範命題または評価命題を主張する場合には、その状況と重要な点で類似している状況においては同じような命題に同意せざるを得ないという意味でのコミットメントである。このコミットメントは、「等しきものは等しく、不等なるものは不等に」という正義・平等・公正等の実質的な社会的価値理念と内在的な関連を有している。 従来の態度概念にかかわる諸問題の多くは、コミットメント概念を前提にすることによって、そして、態度を学習者のコミットメントの総体とみなすことによって克服できるのではないかと考えられる。また、社会科授業において学習される態度を、社会認識の内容と切り離すことなく、しかも事実認識のレベルにおいても分析することが可能となるであろう。
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