Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
本研究の目的は,組合せ凸解析の理論に基づいて,生産システム設計に現れる最適化問題の組合せ構造を明確にすると共に,最適な生産システムを設計するための実用的な解法を構築することである.この目的を実現するため,本年度は以下の研究を行った. ・スケーリング技法によるM凸関数最小化アルゴリズムの研究.M凸関数の最小化問題に対しては,最急降下法や領域縮小法が提案されているが,本研究においては,組合せ最適化のアルゴリズムにおいて基本的な技法であるスケーリング技法をM凸関数最小化に用いる可能性を研究した.一般にM凸関数はスケーリングに関して閉じていないが,ツリー型M凸関数や2次のM凸関数などのクラスのM凸関数がスケーリングに関して閉じていることを示すとともに,スケーリング技法と最急降下法とを組み合わせた効率的な算法を提案した. ・M凸関数の運搬経路問題への応用.時間枠制約つき運搬経路問題とは,各顧客への訪問時間枠制約をなるべく満たし,かつ運搬費用を最小にする経路及びスケジュールを求める問題である.経路決定とスケジューリングを分離するタイプのヒューリスティックにおいて,最適なスケジュールを求める問題がツリー型M凸関数の最小化問題として定式化できることを示した. ・2次のM凸関数・L凸関数の特徴付け.一般に2次の凸関数は半正定値対称行列で表現されるが,本研究では,どのような付加的条件がM凸性・L凸性を特徴づけかという問題意識をもち,この問題に対して完全な解答を与えた.その副産物として,確率過程論などで研究されてきたディリクレ形式との関連が明らかとなった.
|