Project/Area Number |
11878088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田上 英一郎 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (50133129)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 糖タンパク質 / グリコシド結合 / 糖鎖 / 膜タンパク質 / バクテリア / 溶存態タンパク質 / 懸濁態タンパク質 / 海洋 |
Research Abstract |
水圏中に存在する懸濁態及び溶存態有機物中には、生物の体内ではなく非生物として存在する特定のタンパク質分子が濃縮して存在していることが、世界で始めてわかった。その中には、グラム陰性細菌由来のチャネルタンパク質であるポリンが溶存態タンパク質として存在した。この結果は、タンパク質のN-末端アミノ酸配列の決定とデータベースへの検索により分かった。しかし、海洋生物のタンパク質の研究はほとんど行われておらず、アミノ酸配列で同定されないタンパク質については、新たなアプローチが必要である。タンパク質には、糖鎖がグリコシド結合により、ペプチド鎖と共有結合している糖タンパク質がある。糖鎖は、限られた基本構造の基に、多様性の富む糖組成を有する。従って、タンパク質から糖鎖が検出出来れば、その起源について多くの情報が得られる。北太平洋亜寒帯海域及びベーリング海で得られた溶存態タンパク質試料について、検討したところ、検出されたタンパク質の多くが糖タンパク質であることが分かった。そして、検出された糖タンパク質の糖鎖は、決して一様ではなく、シアロ糖や中性糖をそれぞれ主要成分としていた。また、海洋細菌由来のリポた多糖の存在も示唆された。ポリンタンパク質は糖鎖を有していない。従って、海洋には多様なタンパク質が溶存態として存在していることがわかった。 以上の結果は、諸外国でも報告例が無く、新しく発見された現象であり、その海洋溶存有機物の起源や動態、ひいては地球表層の炭素循環を理解する上で、極めて重要な知見と考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)