ミトコンドリア膜タンパク質のトポロジー形成原理の解明
Project/Area Number |
11878128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阪口 雅郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30205736)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ミトコンドリア / 膜タンパク質 / シグナル配列 / トポロジー / オルガネラ / タンパク質立体構造 / 小胞体 |
Research Abstract |
真核細胞内では、小胞体由来のオルガネラ膜に存在する膜タンパク質は、タンパク質合成に共役して小胞体膜に組み込まれ膜内トポロジーを形成する。一方ミトコンドリア等の膜系には、小胞体系とは本質的に異なった経路で標的化・組み込みが行われる。本研究ではN-末端がオルガネラ内腔側・C-末端側が細胞質側という、いわゆる『SA-I』トポロジーを形成している膜タンパク質のミトコンドリア標的化やSA-I膜トポロジーを規定する配列情報の解明に向けた実験系設定に焦点をあてた。N-末端に膜アンカー配列を有しSA-Iトポロジーを示すTom20は、ミトコンドリア外膜に存在する。このSA-I膜タンパク質のミトコンドリアへの特異的標的化には、(1)やや低い(小胞体指向性配列ほどは高くはない)疎水性度の膜結合配列と、(2)その直後5残基以内の総電荷が正、という特性が必要十分であることを明らかにした。さらに、(3)膜結合領域の『高い疎水性』は小胞体へ向けた『優性のシグナル』となることを示した。 また、小胞体のSA-I膜タンパク質(synaptotagmin II、Syt-II)について、ミトコンドリア膜系と比較対照するために詳細な検討を行ない、Syt-II分子の小胞体への標的化やN-末端ドメインの膜透過は合成の極めて初期に、『完全にCo-translationalに』進行すること、(2)N-末端ドメインの膜透過には疎水性セグメントの直前の『ターン形成傾向』の高いアミノ酸残基及び疎水性セグメント直後の正荷電アミノ酸残基が必須であることを明らかにした。ミトコンドリア膜タンパク質のトポロジー形成を小胞体系と比較しながら解明することに成功しつつある。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)