Project/Area Number |
11878140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
宮崎 香 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (70112068)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 細胞移動 / 細胞運動 / 細胞接着 / ラミニン5 / インテグリン / 細胞外マトリックス / 癌 / 転移 / 細動移動 |
Research Abstract |
種々の上皮基底膜に存在するラミニン-5(LN5)は強い細胞接着活性と細胞運動促進活性を示す特異な細胞接着分子であり、上皮組織の構築と維持、癌転移などに関与する。本研究ではLN5の細胞運動促進活性に注目しながら、細胞移動における細胞の基質からの脱着機構を研究した。前年度の研究では急激な細胞移動に伴い受容体を含む細胞膜の部分的な切断が起こること、LN5のγ2鎖のプロテアーゼ(MT-MMP)によるプロセシングによって細胞運動活性が上昇することなどが明らかになった。本年度はLN5の細胞膜受容体であるインテグリン分子種に注目した。これまで、LN5の主要な受容体としてインテグリンα3β1とα6β4が知られ、細胞移動には前者が重要であることが指摘されている。本研究では細胞運動に関与するインテグリン分子種を明らかにするために、ヒト膀胱癌細胞株のLN5上での細胞接着と運動に及ぼす種々のインテグリン中和抗体の影響を調べた。その結果、LN5への細胞接着においてはインテグリンα3β1が主要な役割を果たし、インテグリンα6β1とα6β4が補助的な役割を果たすことが明らかになった。一方、LN5の細胞運動活性はインテグリンα3β1とα6β1の中和抗体によって阻害された。このうち前者の阻害は細胞接着の阻害によるものと考えられたが、後者は細胞接着には影響しなかった。これらの結果から、LN5上での細胞運動にはインテグリンα6β1が重要であることが初めて明らかにされた。細胞の運動には、LN5に対する結合性が高いインテグリンα3β1よりも、結合性が低い、すなわち脱着しやすいインテグリンα6β1の方がより有利と推測された。
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