Project/Area Number |
11878144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 博章 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40174809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 宏治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70261550)
井出 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | マウス / メラノサイト / 内耳 / 遺伝的聴覚損傷 / ディファレンシャルディスプレイ |
Research Abstract |
本研究は正常な聴覚を保証している内耳色素細胞の機能発現機構を探るために、この細胞の分化機構と内耳血管条でどのような遺伝子発現を行っているのかを解析し、その端緒としようとしたものである。遺伝的聴覚損傷を引き起こす内耳の色素細胞欠損は、不思議なことに色素細胞のアイデンティティーである色素産生そのものは必要がないことがクラシカルな遺伝学でわかっている。この聴覚に関係する色素細胞は体色発現に関わる神経冠由来の色素細胞・メラノサイトである。 従って材料とするマウスは、正常個体としてC3H、メラノサイトは分化するがメラニン産生の鍵酵素を分化させられないBALB/c,それからメラノサイトの分化を示さないC3H-mi^<bw>/mi^<bw>マウスを用いて、まず内耳において色素細胞がどのような遺伝子発現を示すかを確かめることにした。 それぞれの成体マウス内耳よりRNAを調製し、ディファレンシャルディスプレイ法によりC3H-mi^<bw>/mi^<bw>で発現が見られない遺伝子を特定することにした。BALB/cマウスも材料として選んだのは、聴覚がメラニン産生と直接に関係がないことがわかっていたからである。つまりメラニン産生経路に関わる遺伝子を最初から除外する目的である。現在20種を越えるcDNA断片が得られており、その配列決定と発現量の推定をノザン法により解析中である。内耳よりmRNAの調製が当初予想していたより少量しか用意できなかったこと、また当研究室でしか維持されていないC3H-mi^<bw>/mi^<bw>変異体の繁殖率が非常に悪くサンプル調製に手間取ったため、組織科学的な発現解析の用意が行えるところまでの進展となった。しかしながらすでに発現量に大きな差のある遺伝子が得られていることから、まさに萌芽的な結果が得られたものであり、今後はこの解析をもとに新たな展開を計画している。本研究種目によりサポートされたことを有り難く存じます。
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