Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤瀬 武彦 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 助教授 (90267708)
楠原 慶子 東京女子大学, 文理学部, 助手 (90214957)
西 洋子 東洋英和学院大学, 社会科学部, 助教授 (40190863)
高石 鉄雄 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 助教授 (50216610)
柴田 真志 兵庫県立看護大学, 看護学部, 講師 (00254467)
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Research Abstract |
21世紀の大学像にふさわしい"教養としての身体の知"の教育の内容と方法を構想する上での課題を明らかにすることを目的とした.研究組織内の調査では,体育の新たな目的として「身体(運動)に関する正しい知識の習得,身体運動の効果や意義の理解,運動の実践法の理解,運動・スポーツ文化の理解や継承」など,各教官の専門性を背景とした長期的な視野での教育効果を意識した授業が取り組まれているが,そのような教育の意義に対する賛同を他教官から得ることが難しいこと,新たな教育の内容や方法を創造するために必要な人的,金銭的,空間的な資源が不十分であること,などが共通の問題として示された.全国の体育実技関連教官約1,000名から得られたアンケート調査の結果では,上記のような教育への「授業改善を考えたことがない」という教官は全体の約20%であり,「授業改善に取り組んだ」教官は全体の45%であった.一方,「授業改善を考えたが実践していない」という教官は全体の約35%程度であり,授業改善の際に想定している障害として,施設/設備,受講者数,授業用具予算などの"物理的課題"や,改善した授業の負担,受講者の態度,授業実践能力などの"人的課題"が大きいことかが明らかとなった.実際に授業改善に取り組んだ教官にとっては,上記の"物理的課題"が大きかったのは同様だが,"人的課題"はそれほど大きくはなかった.また,授業改善に積極的に取り組んだ若手教官の事例においては,他教官におけるスポーツ技術習得へのこだわりや,授業法の開発などが障害となったことが示された."教養としての身体の知"の捉え方や,授業改善に対する意識,考え方などが多様であり,"物理的課題"以前に,そのような"人的課題"が大きな障害となっていることが示唆された.
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