院内感染症による経済的アウトカムの正確な定量化:方法論と日本の病院への適用
Project/Area Number |
11F01108
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Medical sociology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE JasonWeiMing 京都大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 院内感染症 / 医療費 / 医療の質 / 医療経済 / 抗生剤 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大規模の多施設研究で、院内感染症による追加医療費を推計し、リスク調整前後での医療費の違いを調査することであった。 予備分析で院内感染症による追加医療費のリスク調整に必要な説明変数を同定した。この予備分析は、候補説明変数でのモデル作成には、単純にステップワイズの回帰分析を利用するより、先行研究で医療費と相関があった変数を利用し、候補説明変数を同定したほうが妥当ということがわかった。本研究の対象は、257病院から、2007年4月から2010年の4月まで、14,282人が対象となった。院内感染症を同定し、単純比較で感染した患者とそうではない患者の医療費を分析した。また、リスク調整のための重回帰モデルを利用し、我が国の医療管理データで得られる患者のケースミックス変数を調整し、院内感染症による追加医療費を計算した。利用した説明変数は年齢、性別、Charlson合併症スコア、在院日数、そして手術の種類であった。研究対象の院内感染率は27.6%(病院間:4.1%~48.4%)であることがわかった。リスク調整されていない医療費は、非感染者は1人当たり\1,546,071であり、非感染者は1人当たり\2,013,569であった。院内感染症は患者1人当たりの追加医療費の金額は\467,498であった。 リスク調整方法を利用すると、非感染者は1人当たり\1,656,536であり、感染患者は1人当たり \1,997,553であった。患者のリスク調整されたことによって、院内感染症による追加医療費の金額は、調整されていない方法より低く、\341,017であることがわかった。また、病院間のばらつきも小さくなったため、患者のケースミックスで調整されていない医療費は、医療費の高い病院では過大評価され、低い病院は過小評価されていたことがわかった。自由度調整済決定係数は0.774で、モデルへの適合度が良いと評価できるだろう。精度の高いモデルが作成されたことによって、今後の院内感染による追加医療費に利用できると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)