過冷却液体・ガラスの結晶化における静的・動的不均一性の役割についての研究
Project/Area Number |
11F01328
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
生物物理・化学物理
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 肇 東京大学 (60159019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RUSSO J.
RUSSO John 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
RUSSO John 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2011 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2013: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 結晶核形成 / 過冷却液体 / ガラス転移 / 水の熱力学異常 / 水の結晶化 / ガラス / 結晶化 / 核形成成長 |
Research Abstract |
本研究では、過冷却液体と結晶化の関係を中心に研究を行い、液体の高密度化に伴い液体中に発達する結晶的な中距離ボンド秩序が、過冷却液体からの結晶の均一核形成において極めて重要な働きをすることを見出した。具体的には、剛体球系において結晶核は必ず過冷却液体が内包するこのような結晶的なボンド配向秩序の高い領域から生まれること、また、従来の常識に反し、結晶化は並進秩序化が駆動しているのではなく、核形成段階ではボンド配向秩序が駆動していることを初めて示した。これは従来の結晶化についての常識を根底から覆す成果である。さらに、この現象が剛体球系の結晶化に限らず、ソフトスフィア系においても普遍的に見られること、結晶化してくる結晶の対称性は、過冷却状態で形成されるボンド秩序により既に選択されることなどを明らかにした。これは、従来の古典結晶核形成理論のみならず、結晶化の描像そのものに根本的な問題があること、結晶化とガラス化の間に不可分な関係があることを示唆する初めての結果である。一言であらわすと、従来の二体相関を基礎とした液体論では、過冷却液体の遅いダイナミクスや結晶化は記述することが難しく、ボンド配向秩序に代表される多体相関を扱うことが不可欠であることを示唆している。さらに、水の熱力学異常についての研究を行い、以前に我々が提唱した水の二状態モデルを支持する微視的な構造的証拠を明らかにすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記のように、本研究により、液体から結晶がどのようにして形成されるのか、結晶に多形がある場合結晶の対称性がどのような原理で選択されるのか、水の密度が4℃で最大になることに代表される水の熱力学異常の起源が何なのかといったきわめて基本的かつ重要な問題に明確な答えを提供することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のようにの水の異常性の構造的要因が並進秩序化に関係していることを明らかにすることができたので、今後はこの知見を基礎に、液体のこのような並進秩序化とボンド配向秩序化を伴う結晶核形成の関係について明らかにしたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)