Project/Area Number |
11F01712
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Area studies
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山越 言 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEBLAN V.j. 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 外国人特別研究員
LEBLAN V.J. 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | GIS / 民族誌 / 野生動物 / アブラヤシ / 自然保護区 / 西アフリカ |
Research Abstract |
動物相の多様性が高い熱帯の発展途上国地域では、人間活動を排除した自然保護区面積の増加は困難となり、人間活動と動物保全を同一の環境下で達成することが求められている。西アフリカ・ギニア共和国は、保護区行政が未整備にもかかわらず、豊富な動物相が存在することが知られ、人と動物の共存関係を探るには恰好の調査地域である。 本年度の成果としては、フランスの博物館、古文書館における文献調査により、植民地期におけるゾウとチンパンジーの分布の様相について、また、それらと当時の人間活動との関連について、興味深い知見を得ることができた。例えば、過去のゾウの分布は、騒乱や移住などさまざまな歴史的理由で人々の人口が減少した地域に集中していた。これらの結果により、慎重に練り上げた手法を用いれば、歴史学的資料を用いた生態学的状況の再現が可能であること、社会科学/歴史学と生態学との共同作業が可能であることを示すことができた。 GIS的手法により、チンパンジーがアブラヤシに造るベッドに注目し、いくつかの地域でのヤシの木の分布状況(分散あるいは集中)と、ベッドとしての利用状況を分析した。アブラヤシは人々が造り上げた人為的景観の重要な構成要素であり、その分布が人々とチンパンジーとの関係を調整する役割を果たしていた。例えばトリスタオ島では、人々にとってチンパンジーは絶滅が危惧される貴重な動物というよりはむしろ、彼らのアブラヤシを損ない、実の生産性を減少させる害獣と認識されていた。 「民族霊長類学」と称するここ数年のさまざまな議論を分析し、融合的な研究アプローチを実現するための理念と定義の整理を行った。とりわけ人類学者と霊長類学者との間で議論の蓄積が大きい「文化」の概念に焦点を当てて分析を行った。このテーマに関して、査読付き雑誌"Revue de Primatologie"の7編の論文からなる特別号を編集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に挙げた項目について、ほぼ満遍なく予想した成果を上げることができた。それらの成果については、すでに複数の論文が完成している。なかでも、自ら編集責任者として関わった、査読付き雑誌"Revue de Primatologie"の7編の論文からなる特別号は、本申請課題の総大成とも言うべきもので、日本滞在中に交流した日本人研究者の論文を複数含む点からも、大きな成果と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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