Project/Area Number |
11F01768
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 修 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HONEY Mark 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
HONEY Mark 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 触媒 / 有機超塩基 / ジアゾカルボニル / 不斉合成 / 分子骨格形成 |
Research Abstract |
有機合成化学において、新規触媒の開発はより効率的な分子骨格構築反応を行う上で極めて重要な研究課題である。本研究ではキラル有機超強塩基触媒を用いるジアゾカルボニル化合物等の立体選択的反応の開発を目指した検討を行った。キラル有機超強塩基触媒はその強塩基性を特徴とする有望な触媒種であるが、触媒的不斉合成への適用はあまり検討がなされていない。そこで昨年度に引き続き、新規キラル有機超強塩基触媒の設計・合成、およびその機能評価の検討を行い、新たに開発を行った新規キラルホスファゼン触媒を用いるスルホニルイミデートとイミンとのMannich型反応が有意な不斉の発現をもって進行することを確認した。一方で本研究の遂行途中に、有機超強塩基を触媒として用いるイソニトリルとアルデヒドやイミンとの反応について新たな知見を得た。イソニトリルとアルデヒドやイミンとの反応は、オキサゾリン環やイミダゾリン環を効率的に構築する有用な反応である。従来この反応には、反応点に電子求引基を有する活性なイソニトリルが基質として用いられていたが、反応点に電子求引基を有さない不活性なイソニトリルを用いた反応例はまれであった。そこで、有機超強塩基を用いて不活性なイソニトリルを用いる反応を行ったところ、目的の反応が効率的に進行することを見いだした。さらに反応条件の詳細な検討を行ったところ、反応系中に混入した微量の水が反応の反応性や選択性に大きな影響を与えていることを見出した。そこで反応系中への水の積極的添加を試みたところ、収率および立体選択性の大幅な改善が見られた。従来有機超強塩基は系中に水が存在すると容易に反応してしまい、失活するものと考えられていたが、本結果は水が条件によっては有機超強塩基と反応せずに独立して機能しうることを示すものであり、これまでの有機超強塩基の常識を覆す新たな科学的知見であるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
有機超強塩基を用いる新規反応を見出すことができ、さらにその反応において、微量の水が反応の促進および選択性の改善において重要な役割を果たしていることを明らかにした。この水の効果は、有機超強塩基の化学における新たな学術的知見である。最終年度である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は現在終了している。
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