Project/Area Number |
11F01787
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高柳 匡 (2012-2013) 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授
江口 徹 (2011) 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PRUDENZIATI Andrea 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
PRUDENZIATI Andrea 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 超弦理論 / AdS/CFT対応 / 位相的弦理論 / ホロモルフィック・アノマリー方程式 / 4次元ゲージ理論 / 2次元位相的重力 |
Research Abstract |
当該年度の研究成果の中で最も重要なものは、重力理論のアインシュタイン方程式をAdS/CFT対応のエンタングルメント・エントロピーとして解釈しなおす方法を開発したことである。この研究は、研究代表者と、外国人特別研究員Prudenziati氏との共同研究で行われた。エンタングルメント・エントロピーは、量子多体系や場の理論の自由度を普遍的に特徴づける量として、最近素粒子論や物性理論で注目を集めている。また位相的な弦理論の分配関数は、チャーンサイモンズ・ゲージ理論の分配関数と結び付く場合あるので、エンタングルメント・エントロピーの特別な場合に相当するともみなすことができる。従って、エンタングルメント・エントロピーの性質を理解することは重要で、位相的な弦理論の記述するトポロジカルな重力がどのようなものなのか知る上で役に立つと言える。我々は、3次元の反ドジッター時空の摂動を考えた場合にアインシュタイン方程式が、エンタングルメント・エントロピーの満たす微分方程式に等価であることを見出した。このことは時空のダイナミクスが実は量子エンタングルメントのダイナミクスとみなせることを主張しており、大変興味深い。また熱力学の第一法則と類似する関係も導くことができ、国際的にも大きな流れを作った研究成果といえる。その成果が評価されて、研究代表者は、超弦理論の大規模な国際会議strings2013で招待講演を行った。 さらに研究代表者は、この研究を発展させて、より高次元の反ドジッター時空やブラックホール時空の場合にどのような結果が得られるか調べた。その結果、同様の微分方程式を満たすことや、ブラックホール時空の場合は、そのポテンシャル項がゼロになることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エンタングルメント・エントロピー(EE)の励起状態の性質に関して、アインシュタイン方程式と結びつく興味深い現象を発見することができたため。研究代表者は、Prudenziati氏との共同研究やそれと関連する成果が評価され、超弦理論の最も権威のある国際会議strings2013や、一般相対論の最も権威ある国際会議GR20のPlenary講演者として招待された。また、イタリアのトリエステの超弦理論のスクールにおける講師に招待された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の一つの方向性は、さらに励起状態と重力理論の時空の構造の関係に関して解析を進めることである。具体的には、AdSブラックホール時空の二つの境界のうち片側に相当するCFTを励起して、その時間発展を解析することを行いたい。EEに関する計算であれば、CFTを用いた解析とAdS/CFTを用いた解析を同時に行うことができ、両者を比較することでどのように、情報が時空を伝播するのか理解することができると期待される
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