Project/Area Number |
11J00341
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
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Research Institution | Tohoku University (2012) Kyoto University (2011) |
Principal Investigator |
中井 雄一郎 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 超対称性 / 超対称性の破れ / 電弱対称性の破れ / ヒッグス粒子 / ゲージ媒介模型 / ダークマター / インフレーション / gravitino / moduli場 |
Research Abstract |
超対称性は、電弱対称性の破れの起源や階層性問題を考えるうえで有望なアプローチではあるものの、従来研究されてきたような最小限の形で、これらの問題を完全に解くことはできない。本研究の最終目的は、電弱対称性の破れの起源や階層性問題を完全な形で解き、現在の実験データと矛盾しない、新たな超対称模型、超対称性の破れの機構の開発である。階層性問題を完全に解決する超対称模型には、LHC実験で確認された125GeVの比較的大きなHiggs質量を与える機構と、全体の超対称性の破れは大きくとも、Higgssectorの超対称性の破れは小さく抑える機構の両方が要求される。研究においては、超対称模型のHiggssectorとしてどのような模型を考え、その模型における超対称性の破れを与える伝達機構としてどのようなものを考えるかが考察のポイントである。当該年度に実施された研究の主な成果は、次の通りである。 Higgs場が部分的に複合粒子(partially composite)である可能性を追求し、その一部の成果を学術誌に発表した。MSSMにおけるように、完全な素粒子(elementary)としてのHiggs場では、その質量が小さくなった。一方、Higgs場を何らかの新たな強結合ダイナミクスによって複合粒子(composite)とする模型では、質量を大きくすることは可能だが、一般に、topクォークの大きな湯川結合を説明することが難しいことが知られている。そこで、この2つの極限の中間として、partially compositeのHiggs場を考える。つまり、部分的に複合粒子のHiggs場は、十分な質量を得つつ、topクォークの大きな湯川結合を正しく与えることが可能となる。本研究で得られた成果として、部分的に複合粒子のHiggs場を、MSSMのHiggs sectorに強結合ダイナミクスの生じる新たなsectorを結合させることで実現することに成功した。また、この強結合ダイナミクスは、電弱対称性の破れと関係して生じ、その非摂動効果によって、正しいスケールのμパラメータが生成され、MSSMに存在する、μ問題を解決することに成功した。
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