メビウス構造をモチーフとする新規拡張ポルフィリノイドの開発
Project/Area Number |
11J00457
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東野 智洋 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ポルフィリノイド / 芳香族性 / メビウス芳香族性 / リン / 硫黄 |
Research Abstract |
環拡張ポルフィリン類における新たな機能の開発、およびメビウス構造を有した新規化合物の開拓を目指して研究を行った。これまでにリン原子を用いることで、様々な新奇な環拡張ポルフィリンのリン錯体が合成されてきており、ピロールユニットを6つもつヘキサフィリンのリン錯体がメビウス反芳香族性を示すことを明らかにしてきた。そのような中で、ピロールユニットを7つ持つ環拡張ポルフィリンであるヘプタフィリンに対してリンを作用させることで、新たなメビウス反芳香族化合物の合成および構造決定に成功した。さらに、このリン錯体がヒュッケル芳香族性を示す化合物へと定量的に変化することも明らかにしており、同じ(4n+2)π電子系を有するヒュッケル芳香族性―メビウス反芳香族性の間での安定性の差など、メビウス型構造をもつ分子の物性に関する非常に興味深い知見を与えたといえる。 また、環拡張ポルフィリンのベータ位に置換基を導入することによる新たな物性の発現、また高還元状態を安定化し単離可能とすることに成功した。ピロールユニット6つからなるヘキサフィリンの周辺部にスルファニル基を導入し、スルポニル基へと酸化することでヘキサフィリン骨格の電子状態が変化することを明らかにした。さらに、スルファニル基をもつヘキサフィリンを還元することにより、これまで得ることができなかった、電子豊富な還元状態である環拡張イソフロリンフリーベース体として単離することに成功した。加えて、周辺部にハロゲン元素を導入することでも高還元状態を安定化することができ、全く例のない環拡張フロリン骨格をもつ化合物の単離・同定も達成している。これらの結果は新たな環拡張ポルフィリノイドの化学を切り拓くうえで非常に有意義であり、また多量化・複合体形成へ向けた有力な知見となることが期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)