Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
遷移金属触媒を用いた末端アルキンの不飽和結合への付加反応は、原子効率が高く炭素―炭素結合を作るための重要な方法の一つである.当研究室ではこれまで,ロジウム触媒を用いた不斉アルキニル化反応について研究を行ってきたが,最近コバルト触媒がいくつかの不斉アルキニル化反応を進行させることを見出した. 1)シリルアセチレンのα.β,γ,δ-不飽和カルボニル化合物への不斉1.6付加反応 遷移金属触媒を用いたα,β,γ,δ-不飽和カルボニル化合物に対する求核剤の付加反応では,しばしば1,4付加反応と1,6付加反応が競合し,その選択性の制御が難しい.私は,コバルト/(S,S)-Duphos触媒と亜鉛存在下,α,β,γ,δ-不飽和カルボニル化合物とシリルアセチレンを反応させたところ,1,6付加生成物が非常に高い位置およびエナンチオ選択性で得られることを見つけた.なお,ロジウムはこの1,6付加反応に触媒活性を示さなかった. 2)シリルアセチレンの1.1-二置換アレンへの不斉付加反応 遷移金属触媒を用いた末端アルキンのアレンへの付加反応は,様々な生理活性物質に見られる共役エンインを直接合成できる優れた方法である.不斉反応としては,これまでロジウム触媒を用いた1,1-二置換アレンの不斉アルキニル化反応が報告されているものの,収率良く付加体を得るためにはホスフィニル基で置換されたアレンを用いる必要があった.我々は,新規に合成したJosiphos型の配位子をコバルト触媒と亜鉛存在下用いることで,アリール基で置換された1,1-二置換アレンの不斉アルキニル化反応が進行し,高いエナンチオ選択性でexo体が選択的に得られることを見出した.
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