微視的測定手段を用いた二次元磁気ゆらぎが誘起する量子相転移の研究
Project/Area Number |
11J00792
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性Ⅱ(磁性・金属・低温)(実験)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 俊作 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 量子臨界現象 / NMR / 重い電子系 / 超伝導 / 鉄系超伝導 |
Research Abstract |
1.重い電子系Ce(Rul-xFex)POの相図の作成と新奇な強磁性量子臨界点の発見 Ce(Ru1-xFex)POにおける強磁性とメタ磁性の関係を明らかにするためにP-NMRを用いてFe置換量xに対する磁気性質の変化を調べた。 我々の研究からCe(Ru1-xFex)POではFe置換によって磁気相関の次元性が波数空間、スピン空間両方において2次元的になることで強磁性秩序温度が連続的に減少し、x~0.86で強磁性が消失するとともに磁気ゆらぎが非常に発達することを明らかにした。これはx~0.86に強磁性の量子臨界点があることを示唆している。Ceを含む重い電子系で強磁性の量子臨界点を持つ物質は珍しく、Ce(Rul-xFex)POは系統的に強磁性量子臨界点近傍を研究できる理想的な系といえる。 また、メタ磁性的ふるまいも同様にx~0.86に向かって連続的に消失することを明らかにした。今回明らかにしたCe(Rul-xFex)POの磁気相図は理論的に提唱され、U系や3d電子系で実験的に確認されている強磁性量子臨界点近傍の相図と異なる相図を示しており、強磁性量子臨界近傍の磁気状態の普遍性や多様性を調べるよい系であると考えられる。 2.新規超伝導体BaTi2Sb2Oの通常状態と超伝導状態の解明 BaTi2Sb2Oは新しく発見されたTc~1Kの超伝導体である。この物質は50K付近で何らかの相転移に伴う電気抵抗や磁化率の異常を見せた後に、超伝導になる点や3d電子を1個含む二次元Ti2O面が超伝導に重要である点など銅酸化物高温超伝導との類似点が多くあることから注目が集まっている。 我々は微視的な測定手段であるNQRを用いて50K付近の異常が整合電荷密度波である可能性が高いこと、この電荷密度波と超伝導が微視的に共存していること、超伝導の対称性がs波であることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(33 results)