Project/Area Number |
11J00830
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 祐一 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | π共役系高分子 / 構造制御 / 高分子反応 / 有機無機ハイブリッド |
Research Abstract |
共役系高分子は優れたエネルギー、電子の輸送を実現する系であり、その構造を制御することは輸送系の高効率化、新たな機能発現につながる。本研究では剛直な共有結合骨格を利用することで、以下二つの構造制御を試みた。 1)芳香環積層環状二量体の選択的合成 これまでに合成されている共役系分子は、spならびにsp^2炭素の結合からなる結合型の分子が大部分を占めており、積層した芳香環からなるπスタック型分子、特にその最小構成単位であるシクロファン構造は興味深い性質を有している。しかし、シクロファン構造は重合反応の副生成物として得られるか、多段阻の合成経路を経る場合がほとんどである。本研究では、積層ユニットをコの字型のリンカー分子と縮合反応することで、熱力学的に安定なπスタック型の環状二量体分子を選択的に合成し、その光学特性について検討を行った。得られた環状二量体において、向かい合ったオリゴマー同士の軌道の重なりが大きくなるにつれ、相互作用が強くなり、励起状態での相互作用に由来した分子内エキシマー発光が観測された。 2)高分子反応による積層構造の構築 コの字型構造の剛直なリンカー分子を芳香環と連結させ高分子化することで、芳香環が多数積み重なった構造を有する芳香環積層高分子が得られる。本研究では、芳香環積層高分子を共役系分子の構造制御の足場と捉え、高分子反応を用いて共役系分子の積層配列を行った。積層構造を有する高分子前駆体を合成し、高分子反応を行うことで、様々な芳香環を積層構造に導入することに成功した。この手法を用いることで、これまで困難であったπ平面が広く立体障害の大きな芳香環を積層させることにも成功した。得られた積層構造は、外部条件に左右されず安定であり、溶液中においても単一分子内で積層した構造が維持されることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画の一部変更があったものの、興味深い知見が数多く得られ、成果をまとめて学術誌への掲載並びに学会発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに高分子反応を用いた積層構造制御を確立した。今後はこの手法を用いて積層部位として共役系オリゴマー並びに共役系ポリマーを用いることで、より大きなπ平面を有する系に関する知見を得る。すでに準備段階として、共役系ポリマーを多数配列させた積層構造を合成しており、導入された共役系ポリマーの性質に応じて高次構造形成挙動が見られることを確認しており、今後はその挙動の詳細な解析を行う予定である。
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