超弦理論量子動のダイナミクス解明への可解模型からのアプローチ
Project/Area Number |
11J00842
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川口 維男 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2011 – 2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 非線形シグマ模型 / 可積分模型 / AdS/CFT対応 / 可積分系 / AdS/DFT対応 |
Research Abstract |
研究の背景 : 近年のAdS/CFT対応の研究において、その可積分構造は重要な役割を果たしてきた。実際、対称性や可積分性といった少数の数学的な要請から決定されたスヒン鎖模型から、ゲージ理論あるいは弦理論における摂動計算の結果を再現できる。 研究の内容 : この現状を踏まえ、本研究ではAdSICFT対応の可積分変形について考えた。本研究において、我々は弦理論側から可積分変形を考えた。昨年度までの研究では比較的単純な3次元球面(または3次元AdS空間)に限定して、その可積分変形を議論してきた。本年度は、これまでの3次元の場合の結果を一般化する事でAdS5xS5上の超弦理論に対する可積分変形(q-変形)を議論した。symmetric cosetを標的空間とする非線形シグマ模型のq-変形は(modified) classicalYang-Baxter方程式((m) CYBE)の解に基づいて、記述できることが知られている。特にmCYBEの解はstandardなq-変形に対応する一方で、CYBEの解はJordanian変形に対応する。これは3次元球面(=SU(2)群多様体)の場合の任意の群多様体およびsymmetriccosetへの自然な拡張になっている。AdS5xS5上の超弦理論はsemi-symmetricceset上の非線形シグマ模型であることから、symmetriccosetの場合の議論を拡張する事によって、AdSsxS5上の超弦理論に対してもstandardなq-変形が議論できる事が示された。 [Delduc-Magro-Vicedo1Phys. Rev. Lett. 112,051601] 我々は彼らの結果をJordanian変形の場合に拡張する事に成功したeJordanian変形の場合、standardなq-変形よりも標的空間の幾何は簡単であり、比較的容易にIIB型超重力理論への埋め込みが可能である。実際、もっとも単純なタイプのJordanian変形したAdS5xS5がIIB型超重力理論の重力解となっていることも示した。以上の研究に加えて、昨年度に引き続き、3次元球面および3次元AdS空間の可積分変形に関する研究にも進展があった。まず3次元Schrodinger時空を標的空間とする非線形シグマ模型において、2組のYangian対称性が非自明な形で実現されていることを示した、(シグマ模型はSL(2, R)LxU(1)R対称性を持っている。片方のsl(2, R)L YangianはSL(2, R)Lの無限次元拡大として得られる。U(1)Rは非局所対称性として一旦SL(2, R)Rに拡大し、さらにsl(2, R)R Yangianにまで拡大する。)また3次元squashed球面を標的空間とするWess-Zumino-Novikov-Witten模型における隠れた対称性を議論した結果、Uq(su(2))対称性をさらに1パラメータ変形したexoticな無限次元対称性が実現されていることが分かった. これに加えて、3次元Schrodinger時空を標的空間とする非線形シグマ模型に関する研究にも進展があった。昨年度の研究では、warpedAdS3の場合と同様に、二種類の可積分構造を持つことが示されていた。今年度は、それぞれの可積分構造に付随した無限次元対称性の構成、および二種類の可積分構造の間の関係を議論した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今まで非線形シグマ模型に対して行ってきた解析を実際にAdS5xS5上の超弦理論に適用し、その可積分変形を議論することができたため。我々の得た結果は、今後AdS/CFT対応の可積分変形を考える上での重要な一里塚になることが期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
Yang-Baxterシグマ模型に基づくAdS5xS5上の超弦理論の可積分変形、という方向性の研究は始まったばかりである。現時点で、具体的に重力解として構成された例は、う我々の構成した解しか存在しない。様々な具体例を積み上げることで、AdS/CFT対応の可積分変形に関する知見を積み上げることが今後の課題である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(21 results)