Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
1本研究の課題は、高温超伝導体に内在する固有ジョセフソン接合系でテラヘルツ発振が起こる同期メカニズムの解明と、この現象を利用したコヒーレントテラヘルツ光源素子の開発である。本研究で開発している発振素子の最も画期的な点は、高温超伝導体の単結晶材料そのものを微小ジョセフソン接合の集積素子として捉え直した点である。研究代表者は典型的な銅酸化物高温超伝導体であるBi2Sr2CaCu208.δの単結晶をフォトリソグラフィーや集束イオンビーム加工法などを駆使して微細加工し、チップ上に作製した素子の電流電圧特性、分光測定、放射パターン測定を詳細に行った。さらに素子の応用に関する研究として、研究代表者はテラヘルツ光源素子を実際に組み込んだ透過型テラヘルツイメージング装置の開発を行った。この装置を用いることで様々な物質のテラヘルツ透過像を簡単に撮影することができるようになり、固有ジョセフソン接合素子の応用の可能性を大いに広げたと言える。本年度の研究で得られた結果は、国際学会で2件の口頭発表、ならびに2件のポスター発表で公開した。また国内学会では3件の口頭発表、および1件のポスター発表を行った。このうち国際学会1件、国内学会1件の口頭発表は招待講演として講演を行った。透過型テラヘルツイメージング装置の測定原理と結果の詳細についてまとめた論文は、学術雑誌、Joumal of Apphed Physicsに2012年6月に掲載された。また、この装置を用いて液体サンプルのテラヘルツ波吸収係数を高精度に測定する手法を考案し、「テラヘルツ帯域光による試料透過光の取得処理方法及びその装置」という名称で2012年2月に特許出願を行った。
All 2013 2012 2011 Other
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (15 results) Remarks (2 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)
Journal of Physics: Conference Series
Volume: 400 Issue: 2 Pages: 022127-022127
10.1088/1742-6596/400/2/022127
Journal of Applied Physics
Volume: 400 Issue: 12 Pages: 123111-123111
10.1063/1.4729799
Journal of Physics : Conference Series
Volume: (未定)(受理済,2012年中に掲載予定)
Physical Review Letters
Volume: 108 Issue: 10
10.1103/physrevlett.108.107006
http://kadowaki.ims.tsukuba.ac.jp/index.html