Project/Area Number |
11J01388
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
城野 哲平 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | コミュニケーション / 繁殖干渉 / 種認識 / シグナル / 背景雑音 / 交雑 / 爬虫類 / 種間多様性 / 生殖隔離 |
Research Abstract |
日本にはヤモリ属が8種分布しており、複数種が同所分布する地域が知られている。これまでの研究で、ヤモリ属は種間で鳴き声が異なり、一部の種が鳴き声による種認識機構を失い種間交尾を受け入れることによって自然交雑が生じていることが示唆された。これが正しければ、交雑に方向性があり、種認識できない種のメスは別種のオスと種間交尾を行う一方で、種を認識する種のメスは別種のオスによる求愛を拒否することが予測される。本年度は、(1)同所的に分布しているとされるヤモリ類の分布の重複度の詳細と環境の選好性の定量的評価と、(2)ヤモリ属種間の交雑の方向性の有無の検証を行うことを目的として調査を行った。また、(3)ベトナムで捕獲されたヤモリ属のGekko subpalmatusによって異性間対面実験を行い、その鳴き声構造の決定を試みた。(1)各地域での生息環境の調査の結果、同所的に分布するにも関わらず交雑しない種間とする種間の両方で、生息環境は重複しているものの多少の違いがみられた。両地域で、1種はより開放度が高く人為的撹乱の大きい地点に生息する一方で、もう1種はより植生が密で人為的撹乱の少ない地点に生息していた。このことから、交雑は分布が重なっている一部地域でのみ生じている可能性が示唆された。また、シグナルの伝達効率に影響しうる要因として、明度と背景雑音を録音し予備解析を行ったところ、各種の生息環境における背景雑音には明確な違いは認められなかった一方で、明度には若干の違いがみられた。さらに、(2)交雑の方向性の検証のため、一週間同居させ、種の組み合わせごとの交尾頻度の違いの検出を試みた。この解析は現在進めている最中である。(3)G. subpalmatusの対面実験の結果得られた鳴き声は、ヤモリ属によくみられる、規則的な繰り返し構造からなる鳴き声である一方で、鳴き声のパタンの詳細は他種とは明らかに異なっていた。
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