新規共役七員環化合物の生物生産に向けた、ヒノキチオール生合成経路解明とその利用
Project/Area Number |
11J01520
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
木質科学
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 貴子 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2011 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | ヒノキチオール / Cupressus lusitanica / 4(8)-p-menthen-1,2,3-triol |
Research Abstract |
平成24年度は、ヒノキチオール生合成経路解明に向け、Cupressus lusitanica培養細胞で、主にヒノキチオール生成の制御について検討した。 これまで、細胞から抽出した粗酵素により、テルピノレンから5-isopropyridene-2-methylcyclohex-2-enol(以下IME)、IMEから1,6-epoxy-4(8)-p-menthen-2-ol(以下EMO)が生成することを証明した。これらは、ヒノキチオール生成の初期段階の経路と予想している。この二段階の酸化反応(水酸化とエポキシ化)を触媒する酵素の活性の経時変化、ならびにEMOとヒノキチオールの蓄積量変化を調べた。 細胞に酵母抽出物由来のエリシターを加え、その後の酵素活性、生成物蓄積量の経時変化を比較した。酵素活性は、どちらも3日目にかけてやや増加し、5日目で大きく増加、7日目で減少した。細胞内に蓄積するEMOは、7日目まで直線的に増加した。また、ヒノキチオールは3日目までは生成せず、5日目にかけて大きく増加し、7日目にかけてやや増加した。 この結果から、3日目まではEMOを生成する酵素に対して、その後の代謝を担う酵素の誘導が遅いためEMOの蓄積が見られ、5日目にかけてはEMO生成酵素とヒノキチオール生成酵素の両方の活性が上昇するため、EMOの増加とヒノキチオールの急激な蓄積が見られたと考えられる。 この結果から、極性が高いEMOはテルピノレンより細胞内蓄積に適している一方、ヒノキチオールは極性が低く細胞毒性があることから蓄積には適さないため、EMOもしくはその後の代謝物を一旦プールしている可能性が示唆された。 すなわち、ヒノキチオール生合成において、IMEとEMOの生合成酵素活性を制御することにより、その代謝物を蓄積することでヒノキチオール生成の制御を行っていると予想された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)