実験・計算・分光学を組み合わせた多成分連結反応の機構解析と反応開発
Project/Area Number |
11J01857
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
駒川 晋輔 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 多成分連結反応 / 反応機構 / ニッケル / 触媒反応 / 理論計算 / 銅アート錯体 |
Research Abstract |
多成分連結反応は短工程かつ効率的に目的の生成物を与える有機合成上意義深い反応である。しかし反応系内の複雑さから,反応機構の解明には未だに困難を要する。計算化学や分光学を駆使して多成分連結反応の反応機構を解明する事ができれば,より効率的な反応の開発及び新たな反応の発見につながると期待される。本年度はニッケル触媒を用いた電子欠乏性メチレンシクロプロパンとアルキンの7員環形成反応について,理論計算の観点から解析を試みた。 モデル化した系を用いて反応機構を探索した結果,反応の初期段階において電子欠乏性メチレンシクロプロパンがニッケル触媒と相互作用し,反応の進行に大きく関与している事が判明した。反応の律速段階は鍵中間体である5員環メタラサイクルが形成される段階であるが,従来より広く知られているアルキン2分子から成るものではなく,メチレンシクロプロパンとアルキンから成る錯体が有利である事が示された。この計算結果は,用いる基質により反応の選択性を制御できる可能性を示唆している。 また,銅アート錯体を用いた芳香環のオルト位メタル化反応について構造的,理論的観点から解析を行った。銅アート錯体は有機合成において重要な試薬のひとつであるが,溶媒など周辺環境によって構造が異なるため,錯体構造と反応性の相関については現在でも積極的に議論されている。今回,銅アミド錯体について得られている実験事実と結晶構造を元に反応の機構解析を行った結果,今までほとんど知られていなかったモノマーGilman型錯体が反応の活性種であることを見いだした。また,銅上の配位子(メチル基)はプロトン交換することなく維持されることが計算化学により示唆され,カップリング反応など種々の官能基化反応への応用展開が望める。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)