分子動力学法において一次相転移を研究するための新規手法の開発
Project/Area Number |
11J02003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thermal engineering
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金子 敏宏 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2011 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 分子動力学法 / 拡張アンサンブル法 / 一次相転移 / 水 / ナノスケール細孔 / 単原子分子液体 / 固液平衡条件 / 自由エネルギー / 分子クラスター / 単純液体 |
Research Abstract |
高活性炭素繊維やゼオライトなどはナノスケールの細孔を持ち,この中に閉じ込められた分子はバルクとは異なる融点を持つことが知られている.この性質の利用先として,固体化を阻害・促進する方法の提案や,望んだ温度条件で使用できる蓄熱材料の開発などが期待されている.このような応用に向けて,ナノ細孔中で融点が変化するメカニズムを解明し,実験に先駆けて未知の形状の細孔に閉じ込められた分子の融点を予想することは重要である.そこで本研究では分子動力学シミュレーションにおいて融点を決定する方法を開発し,スリット型ナノ細孔に閉じ込められた水分子の融点を計算することを目的とした. まず,融点を決定する方法として拡張アンサンブル法のひとつであるマルチバーリック・マルチサーマルアンサンブルに注目した.この手法をメタンや希ガスなどのバルク単原子分子液体に適用し,様々な圧力下での融点の実験値を再現することを確認しJoumal of the Physical Society of Japanに発表した.さらに,この手法の圧力制御方法に理論的な改良を行い,ナノ細孔中の異方的な結晶にも適用できる新しいマルチバーリック・マルチサーマルアンサンブルを提案した. つぎに,報告者が開発した手法をスリット型ナノ細孔中に閉じ込められた水分子に適用し,いくつかの圧力条件下で融点を計算し,融点が細孔サイズに影響される氷と影響されない氷の二種類が存在することを発見した.この結果を二件の国内学会(第49回日本伝熱シンポジウム,The 6th Mini-Symposium on Liquids)で発表し,現在論文として執筆中である.
|
Report
(2 results)
Research Products
(10 results)