Project/Area Number |
11J02182
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 匡志 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 相対性理論 / 高速粒子衝突 / 高次元時空 / ブラックホール / 余剰次元 / 回転ブラックホール |
Research Abstract |
1. 地平面を持たない時空まわりにおける高速粒子衝突 Banados, Silk, West (BSW)により提唱された回転ブラックホール周りにおける高速粒子衝突(BSWプロセス)は原理的には任意のエネルギーの衝突エネルギーを得ることが可能であるため未知の物理法則を探る手がかりとして重要である. オリジナルのBSWプロセスにおいては, 粒子自信の自己重力の効果が考慮されていないという問題があったが, 我々の先行研究においてもし自己重力の効果を取り入れたとすると, 衝突エネルギーを下げる方向へと働き, 衝突エネルギーは任意には大きくならない, ということが示されていた。しかし本研究では, 時空がブラックホールではない, つまり地平面を持たない場合においては, 特殊な状況を考えれば, 自己重力の効果を考慮したとしても, 衝突エネルギーは任意に大きくなりえるという結果が示された。 2. 高次元ブラックホール周りにおける高速粒子衝突 本研究では高次元ブラックホールまわりにおけるBSWプロセスについて議論を行った. 4次元時空においては高速回転ブラックホールの最内安定円軌道を運動する粒子と他の自由落下する粒子の衝突を考えたとしても高速粒子衝突は起きることが示されており, BSWプロセスの存在と密接に対応していると考えられていた. 一方, 高次元ブラックホールにおいては安定円軌道は存在しないと考えられてるので, この対応が正しいとすると, 高次元時空においては高速粒子衝突は起きないことが期待される. しかしその予想に反して, 本研究では高次元時空においても高速粒子衝突は起きうることが示された. これに関連して最近Aretakisにより示された極限ブラックホールの不安定性の存在とBSWプロセスの存在が密接に対応しているという予想を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地平面がない状況で荷電球殻の衝突を考えると自己重力の影響を考慮したとしても衝突エネルギーに制限がつかないという予想外のことが示されており評価できる. また高次元ブラックホール周りにおける粒子衝突はこれを理解するために従来にはない新しい観点が述べられており評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
現実的な高次元時空のモデルを考えると余剰次元のサイズはコンバクトになっている必要があるが, そのような状況においてブラックホールを記述するアインシュタイン方程式の解を構成することは一般に困難であり, 特殊な状況下でしか解は知られていない. 電荷と質量が等しい場合にはそのような解が構成でき, 先行研究から地平面上に特異点が存在することが予想されているが, 時空の対称性の低さからその解析が難しい. そこで特異点の存在を示すための数学的な枠組みを整理すると共に, 時空の重力摂動を考えその時空の持つ性質について明らかにしたい. 高速粒子衝突に関しては, 先行研究の結果から推察するに, 高次元のケースを含むより一般的な観点からその性質が議論出来ると考えられており, 特にブラックホールの地平面のもつ性質からこれを明らかにしたい.
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Report
(3 results)
Research Products
(19 results)