Project/Area Number |
11J02274
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
池野 なつ美 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 中間子原子 / π中間子 / 理化学研究所RIBF / (d, 3He)反応 / (d,3He)反応 / 中性子奇数核 / 中間子原子核 / 生成反応 |
Research Abstract |
中間子―原子核束縛系(中間子原子及び中間子原子核)の研究から強い相互作用の様相、すなわち有限密度における量子色力学(QCD)の対称性の振る舞いや、種々のハドロン構造に関する理解を深め、更に重い中間子を含んだハドロン多体系へと研究を発展させる事を目的としている。本年度は、昨年度と同様にπ中間子原子の研究を行った。 現在までπ中間子原子生成スペクトラムの計算は、有効核子数法によって行ってきた。π中間子―原子核間の光学ポテンシャルの虚部は比較的小さいため、有効核子数法によってπ中間子原子の生成スペクトラムを計算することは、良い近似計算方法であることが知られている。一方、生成スペクトラムを計籏するより優れた方法として、グリーン関数法があり、これは、虚部ポテンシャルが大きい系でも、精密な計算結果を得られることが知られている。また、グリーン関数法では、中間子の束縛状態と準自由状態を同じ定式化で扱える点などの利点があることも知られている。 現在、理化学研究所RIBFにおいて高分解能π中間子原子生成実験が進展している。この実験では、種々の標的原子核に対し、有限角度も含めた(d, 3He)反応を用いて観測することにより、系統的かつ高精度なπ中間子原子のデータが得られると期待されている。これに伴い、理論計算の更なる改善を行うことは、研究の発展段階として必然的である。 本研究では、グリーン関数法を用いて生成スペクトラムを計算することにより、理論研究の改善を行った。その結果、グリーン関数法によって得られたスペクトラムは、これまでの有効核子数法によって得られた結果とよく似ているが、非常に高精度な実験が今後行われるならば、グリーン関数法による計算が必要であることを示した。また、これまでの実験精度では、有効核子数法による計算で充分良いことも再確認できた。更に、このグリーン関数法は、ポテンシャルの虚部が大きい重い中間子系の生成断面積を評価する際に必須であり、重い中間子束縛系の生成反応の定量的な計算にすぐに取り掛かれる段階になった。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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