Project/Area Number |
11J02593
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic industrial materials
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横井 太史 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | リン酸カルシウム / 結晶成長 / バイオミネラリゼーション / 無機-有機複合材料 / 生体材料 / ヒドロキシアパタイト / リン酸八カルシウム / ゲル法 / 水和ゲル / バイオミメティクス |
Research Abstract |
本研究では、材料構築法としての水和ゲルを反応場とした結晶成長法(ゲル法)の学術的基礎を確立し、組織制御型有機-無機ハイブリッド材料の創製へと展開することを目的とした。 平成24年度は、ポリアクリルアミドゲル反応場として用い、ゲルの両端からカルシウムイオンとリン酸イオンを拡散させる方法によって、リン酸カルシウムを合成した。合成の際の温度を4~80℃の範囲で変化させながら生成するリン酸カルシウムの結晶相、形態および配向性を調べた。さらに、反応場に共存する分子としてフッ化物イオンを選択し、フッ化物イオンが生成するリン酸カルシウムの形態に与える影響を調べた。 反応温度が4および400℃の条件においては、球状のリン酸八カルシウムが生成した。一方、反応温度が80℃の条件においては、イオンの拡散方向に配向して成長した繊維状のヒドロキシアパタイトが生成した。さらに、配向したヒドロキシアパタイトが生成した条件において、反応系にフッ化物イオンを共存させた。フッ化物イオン濃度が1mol m^<-3>(mM)の条件においては、配向構造は消失し、球状のヒドロキシアパタイトが生成した。フッ化物イオン濃度が10mMの条件においては球状結晶によって構成された三角形の特徴的なパターンが形成された。さらにフッ化物イオン濃度を高めると、三角形にパターンは消失した。 これらの結果は、フッ化物イオンを反応系に共存させることにより、ヒドロキシアパタイトの形態だけでなく、材料の組織制御が可能になることを示している。 本研究によって得られた結果は、リン酸カルシウムの結晶形態と材料組織の制御指針を与えており、ゲル法による材料構築法の学術的基礎となる重要な成果である。さらに、本研究で得られた成果は、高機能な組織制御型人工骨を創製するための基礎的な材料設計指針になると期待される。
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