反応性の逆転:アルデヒド共存下でのケトン選択的変換反応
Project/Area Number |
11J02667
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八幡 健三 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | カルボニル / 選択性 / in situ protection / 反応性の逆転 / ホスホニウム塩 / one-pot反応 / ホスフィン / カルボニル基 |
Research Abstract |
当該年度は、これまでに発展させてきたアルデヒドやケトンに対するin situ protection法のエノン化甘物への応用について研究を行った。その結果、従来法では困難であったエノンと芳香族ケトンといった極めて反応性の類似した官能基を効果的に識別することに成功した。本法では、1.5当量のTMSOTfおよびトリフェニルホスフィンがエノンと反応することでホスホニウム塩へと変換され、このものがエノンの系中での一時的な保護基として働くことでエノン存在下でのケトンの選択的な還元を可能にしている。また本法は、ケトンだけでなくエステルやアミドなどのエノン存在下での選択的な還元にも適用することができ、一般性の高いエノンの保護法として用いることができる。さらに、β位が二置換のエノンは反応系中で保護されないことを明らかとし、これを利用して、β位一置換エノン存在下でのβ位二置換エノンの選択的な還元法の開発にも成功した。また、本反応における中間体はGrignard試薬などの求核剤に対しては不安定であったが、種々検討した結果、インジウムを用いるBarbier型アリル化反応を行うことで、初のエノン存在下でのケトン選択的なアルキル化も達成した。本法は、従来選択的に保護することすらも困難であった極めて反応性の類似した二つの官能基を明確に識別し、区別化することのできる初の手法である。また、開発した手法を天然物の合成研究へと応用し、過去の報告と比べてはるかに高効率的なdecytospolide AおよびBの不斉全合成にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたアルデヒド共存下でのケトンの選択的変換反応の開発に成功し、さらにケトン存在下でのエステルやアミド選択的な変換法へと拡張することに成功した。さらに、初のエノンのin situ protection法の開発も達成し、従来法にない選択性を有する様々な変換に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
エノンの保護法ではβ位二層エノンが保護されないことを利用してβ位の置換様式によるエノンの区別化に成功したが、今後はβ位が二置換のエノンを保護する手法を開発する必要がある。これまでの知見より、立体的に小さく求核性の高いトリアルキルホスフィンを用いることで本問題が解決できると考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)