光合成膜タンパク質集合体機能解明のための超分子アレイの創成
Project/Area Number |
11J02697
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
角野 歩 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 光合成アンテナ膜タンパク質 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
【諸言】光合成細菌の光合成膜中では、光合成反応の初期過程を担う膜タンパク質・色素複合体であるLH2とLH1-RCが高密度に組織化され、LH2とLH1が収穫した光エネルギーをRCが電気エネルギーへ変換するという協同機能が明らかになっている。しかし、LH2,LH1-RCの集合形態と協同機能の相関は不明であり、本研究の目標はこれらの集合形態一機能相関の分子レベルでの理解である。 【研究内容】精製したLH2,LH1-RCを界面活性剤存在下で諸種のリン脂質と混合し、透析により界面活性剤を除去することで再構成リボソームを調製した。これをマイカ基板もしくは金蒸着マイカ基板上で平面膜化させてAFM観察に用いた。(1)PG,PC,PE/PG/CL(光合成膜の模倣組成)膜にLH2およびLH1-RCを再構成しAFMによる膜中集合構造の評価を行った結果、膜中でのLH2,LH1-RCの集合化度はPE/PG/CL>PC>PGの順に大きく変化することが明らかになった。また定常蛍光スペクトルと蛍光寿命測定により、分子間エネルギー移動の起こりやすさがPE/PG/CL>PC>PGと集合化度と同じ序列で変化した。これは脂質種によってLH2,LH1-RCの集合構造と協同機能が調節されることを発見し、また脂質依存的な集合構造の構築に成功した生物学的にも工学的にも意義深い成果となった。(2)LH2,LHI-RC集合構造-機能相関の分子レベルでの理解へ向け、AFMによる再構成膜中LH1-RCの局所電流測定を試みた。金蒸着マイカ基板上にLH1-RC再構成膜を物理吸着させ、基板にバイアス電圧を印加し、RCを通って導電性カンチレバーへと流れる電流を記録した。形状像から測定点を選択し、LH1-RC上と金表面上で電流-電圧曲線を得た結果、LHI-RC上でのみ明確な負の整流特性が得られた。これはRCの一方向の電子移動の向きと一致しており、LH1-RCの電流特性をAFMによって局所計測することに成功した。今後、AFMによる局所電流計測と光電流計測系を組み合わせることにより、LH2,LH1-RC再構成膜中での集合構造と協同機能を分子レベルで計測・機能評価できるようになることが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)