Project/Area Number |
11J02920
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Food science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
姚 瑞卿 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 酒類コンジェナー / エピジェネティック / 酒類ポリフェノール / DNAマイクロアレイ / アルコール性脂肪肝 / 核内受容体CAR |
Research Abstract |
本研究では、一連の植物由来の機能性ポリフェノールに注目し、核内受容体CARへの作用と、CARに依存的な体内での機能性に関して研究を進めてきた。酒類に含まれるポリフェノールは生活習慣病のリスク低下などの作用を持つことが知られている。昨年度では、培養細胞系を用いて、これらの代表であるエラグ酸とレスベラトロールがCARを活性化することを確認し、エタノール誘導性脂肪肝マウスモデルに対するポリフェノールの効果とその効果のCAR依存性を検討した。今年度では、さらに肝臓のトランスクリプトームを解析し、酒類ポリフェノール類の投与は、エタノール投与によって発現が上昇したストレス誘導性遺伝子や糖新生と脂質合成に関する遺伝子の発現を抑制することが明らかになった。逆に、エタノール投与により発現が低下した胆汁酸合成と脂肪酸伸長関連遺伝子の発現は、増加させていることが判明した。また、酒類ポリフェノールはNAD合成と葉酸/含硫アミノ酸代謝も促進する可能性が示された。また、以上の肝臓トランスクリプトーム解析により、エタノールは自身の代謝や遺伝子の制御を介して、アセチルCoAの増加、NADの枯渇、メチル基供与体の減少を誘導し、エピジェネティックな修飾を引き起こすと考えられた。一方、酒類コンジェナーはエタノールと逆方向の遺伝子制御を行うことにより、エピジェネティックな修飾を抑制している可能性が示唆された。そこで、本研究では父親マウスのエタノール摂取のエピジェネティックな影響を解析すると共に、酒類コンジェナーを添加することによるその影響への効果を解析した。その結果、コントロール群と比べて、エタノール群仔マウスの体重は有意に重く、血中中性脂肪量も有意に高かった。 また、肝臓のトランスクリプトーム解析と代謝制御分析の結果、エタノール群の仔マウスではウイルス応答、コレステロール合成・吸収、細胞周期、細胞増殖が促進され、脂質代謝と顆粒(白血)球蓄積が抑制されていることが予想された。一方、レスベラトロール添加群ではその変化が認められなかった。
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