マグマ二相流モデルに基づく爆発的噴火に伴う山体変形に関する研究
Project/Area Number |
11J03208
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川口 亮平 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 開口型火道 / 山体変形 / マグマ上昇 / 境界要素法 / 爆発的噴火 / スラグ流 |
Research Abstract |
短時間で噴火を繰り返す火山における噴火前の火道内マグマ上昇と地表の山体変形の関係を明らかにすること目的として研究を進めてきた.繰り返し噴火における火道内のマグマ上昇過程をマグマ内の気泡の挙動の違いに着目し,次の3つの場合についてモデルを構築した.気泡と液体メルトが相対速度のない状態で上昇する気液等速のマグマ上昇モデル,液体メルト中を無数の小気泡が相対的に上昇し,上昇に伴う気泡の膨張によってマグマが上昇する気泡上昇モデル,火道下部で気泡が合体し大きなガススラグとなって上昇するスラグ流モデル. それぞれのモデルについて支配方程式系を組み立て,数値計算によって火道内のマグマ上昇過程とそれに伴う地表の山体変形の時空間分布の特徴を調べた.気液等速のマグマ上昇モデルでは,マグマ内で拡散による気泡成長が起きやすい場合,噴火前の山体の隆起は加速的になるが,気泡成長の効果が小さい場合,山体変形は時間に比例したものになることが分かった.また,気泡上昇モデルでは,山体は噴火に向けて急加速的に隆起し,スラグ流モデルの場合,火口から離れた観測点で山体の沈降が現れるといったモデルごとで山体変形の様子に顕著な違いが現れることを示すことができた. これらのモデルに基づいて,イタリアのストロンボリ火山でのストロンボリ式噴火の際に観測された傾斜変動データの解析し,火山内部のマグマ上昇過程の推定を行った.その結果,火口近傍の5点の観測点の傾斜変動データの時間変化および空間分布の特徴を説明するためには,気泡上昇モデルが最も適していることを明らかにした. 本研究は,火口近傍で得られる噴火前の山体変形データの時空間分布から,噴火過程の支配要因として重要な役割を果たすと考えられているマグマ揮発性成分の挙動の推定が可能になることを示しており,火山噴火機構の解明に貢献できると考えられる.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)