Project/Area Number |
11J03388
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied pharmacology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西中 瑶子 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 一重項酸素 / 神経細胞 / 角化上皮細胞 / NETs / 細胞死 / 活性酸素 / グルタミン酸 / 神経変性 / 皮膚細胞 / 好中球 |
Research Abstract |
まず、神経細胞を用いて構築した、グルタミン酸による神経細胞傷害モデルにおいて、神経細胞活性の低下及び、その細胞活性低下が一重項酸素消去剤によって緩和されることをAlamar Blue法及び蛍光染色により確認した。また、その傷害時にオートファジーが起こっていることを確認した。これは、光増感剤を用いて神経細胞内で人工的に一重項酸素を発生させた時に見られる細胞死形態と一致した。さらに、一重項酸素が発生していることを電子スピン共鳴法(ESR)により検出した。このことから、グルタミン酸による神経細胞傷害には一重項酸素が関与していることが示唆された。 次に、角化上皮細胞を用いて構築した放射線照射による細胞傷害モデルにおいて、damage-specific DNA binding protein 2 (DDB2)及びその上流のp53の活性化を検出した。また、傷害時にDDB2の発現及びp53の活性化が一重項酸素消去剤により抑制されることを確認し、ESRにより放射線照射後に産生された一重項酸素を検出した。 さらに、好中球の新たな殺菌機構であるNeutrophil Extracellular Traps (NETs)についての研究を進めた。NETsは、生体防御の一部を担う反面、自らのDNAを細胞外へと放出し、自己免疫性疾患の原因となっている可能性や血管内皮細胞への傷害性などが報告されるようになってきた。Noxが欠損しているCGD患者好中球に高濃度尿酸を単独で添加したところ、NETs形成が観察され、高濃度尿酸はNox非依存性にNETs形成を誘導することが示された。 これらの結果は一重項酸素の傷害性を示すものであり、各種疾患、病態において一重項酸素の制御による傷害緩和、という新たな視点からの方策を支持するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経細胞傷害、放射線障害における検討はほぼ計画通りであるが、新規一重項酸素消去剤についての検討が、化合物の構造同定が叶わなかった。だが、その代わりにNETsというDNA放出型の細胞死機序について知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、神経細胞傷害を代表する疾患モデルとして、虚血再灌流傷害モデルを構築し、一重項酸素の関与について解析を行いたい。 また、皮膚細胞における放射線障害では、サイトカインやシグナル伝達に関してはまだ解析が不十分なため、今後これらのことを含めたさらなる検討を行い、一重項酸素による細胞傷害機序を解明し、その制御による放射線障害緩和へと繋げたい。 ただ、そのためにも新規化合物の同定により注力する必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)