幾何学的構造制御に基づくナノカーボン・スピントロニクスの開拓
Project/Area Number |
11J03636
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平 久夫 北海道大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 電子状態 / バンド・ギャップ / 幾何学的構造 / 力学的変形 / スピン伝導 / 交流伝導度 / らせん転位 / 量子力学的位相 / 幾何学的効果 / Berry位相 / 軌道角運動量 / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
本年度は断面変形した単層カーボンナノチューブ(Single Walled Carbon Nanotubes, SWCNTs)の電子バンド構造を数値的に計算した。SWCNTsの力学的変形が引き起こす興味深い物性として、軸方向への伸長によるパイエルス転移や朝永-Luttinger液体指数の変化等の量子多体効果に関する特異物性が挙げられる。これらは軸方向への力学的変形を主眼としたものであるが、一方、連続弾性体近似を用いると、静水圧印加によりSWCNTsの断面形状が円から波状に変化する。断面形状の変化による電子バンド構造の変化は、電子輸送特性が静水圧印加により大きく変化する可能性を示唆する。この外圧によるバンド構造の動的制御は、電気スイッチ素子への応用へ向けた研究へも波及するものと考える。 そこで本研究では、波状変形に起因するSWCNTsの電子バンド構造の変化を数値的に求めた。具体的には、SWCMsの電子状態をタイト・バインディング近似を用いて数値的に求めることで、電子バンド構造が外圧に対してどのように変化するかを求めた。その結果、ある圧力前後でバンド構造が大きく変化することがわかった。このバンド構造変化は、この圧力で波状変形のモードが変化することに起因することが明らかとなった。これらの変化を系統的に調べるために、(15,0)SWCNTsと(14,0)SWCNTsのバンドギャップ・エネルギーの変形振幅依存性を計算した。その結果、(15,0)SWCNTsは金属―半導体―金属転移を、(14,0)SWCNTsは半導体―金属転移を起こすことが明らかとなった。ここで得られた結果は、1電子状態がSWCNTs断面の波状変形により、大きく変化することを意味する。従って、上述の量子多体効果に関する新現象の探索や、外圧による電気スイッチ素子への応用へ向けた研究に対する基礎的知見を与えうるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)