Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究では,半導体微細加工と,バイオナノ薄膜である脂質二分子膜とを結合させることにより,二分子膜系の最大の問題であったその機械的脆弱性の問題を解決し,チャネルタンパク質に基づくバイオチップやセンサを構築することを目的としている.前年度,シリコン微細加工に基づく安定化脂質二分子膜では,シリコン由来の大きな電気容量のためノイズ電流と過渡電流が大きいという問題があったが,熱酸化膜(SiO_2層)およびテフロン層を用いた絶縁層被覆を行いシリコンチップの電気容量を下げることにより,ノイズ電流幅を1-2 pA(peak-to-peak),過渡電流を1ms以下にまで下げることに成功した(Micro and Nanosystems, 2012, 4, 2-7.).この二分子膜系に,薬剤に対して敏感で,創薬において副作用評価対象となっている心筋の電位依存性カリウムチャネルhuman ether-a-go-go-related gene(hERG)チャネルを包埋し,hERGチャネルセンサを構築し,そのチャネル電流および薬品反応性を評価した.hERGチャネルを発現したChinese hamster ovary(CHO)細胞を購入し,この細胞からhERGチャネルを膜画分の状態で抽出し,二分子膜への包埋を行った.薬剤応答性,カリウム濃度依存性はともにパッチクランプの報告値と一致しており,Siチップに中にhERGチャネルを再構成することに成功した。さらに,数10時間の測定が可能であり,スループットの向上に期待ができる.
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