エマルションガンマ線望遠鏡によって実現する宇宙線加速天体のモルフォロジー解析
Project/Area Number |
11J04013
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
六條 宏紀 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC2) (00725814)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ガンマ線天文学 / 宇宙線 / 原子核乾板 / 気球実験 |
Research Abstract |
最新の原子核乾板および解析技術をガンマ線観測器へ応用することで、現存するGeVガンマ線観測機器よりも1桁高い解像度でガンマ線源を撮像することが可能となる。本研究は、高分解能「エマルションガンマ線望遠鏡」を開発し、大面積検出器を気球に搭載して長時間フライトを実施し、現在「未同定」とされている謎のガンマ線天体や、宇宙線加速が示唆される超新星残骸等の精密観測を実現することを目的としている。 2012年度は以下について取り組んだ。 ■2011年度気球フライトデータの解析 2011年に実施した気球実験で得られたフライトデータの解析を進め、大気ガンマ線フラックスの導出を行った。検出器内で対生成したガンマ線事象を選び出し、新しく確立したタイムスタンプ手法(多段シフター)によってイベントの入射タイミングを決定した。さらにGPSのデータを組み合わせることで、イベントの入射高度を特定し、大気ガンマ線フラックスを求めた。先行研究とコンシステントな値が得られている。 加えて、観測のバックグラウンド源となる(1次宇宙線と検出器自体がinteractionすることで発生する)2次ガンマ線の同定法の開発を行った。多段シフターの解析により、ガンマ線と2次粒子の入射時刻の同期および発生点の空間的同期を取ることで、このタイプのバックグラウンドを90%除去することが可能となった。 ■35MeV/c電子ビームを用いた運動量測定精度の検証 ガンマ線のエネルギーの測定は、電子・陽電子が物質中を通過する際に受ける多重電磁散乱から運動量を求めて行う。これまで数10MeV/cの電子に対して多重電磁散乱法は用いられた実績がなく、運動量測定精度の検証を行うため、東大ライナック研究施設の35MeV/c電子ビームの照射試験を実施した。チェンバーを通過する飛跡の散乱角を測定し、電子の運動量を再構成した。結果、分布のピークは期待値と2.4%で一致しており、多重電磁散乱法が低運動量電子にも適応可能であることを実証した。また運動量分解能は21%と評価した。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)