Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本年度は, 気泡乱流中の個々の混入気泡からの酸素の溶解から移流拡散にわたる一連の気体輸送過程を捉える数値モデルを構築し, 実験結果によって検証を行うと共に, 砕波ジェットを模擬した鉛直円柱ジェット下に形成される気泡乱流中の酸素輸送機構について調査した. 理論的に求めることが困難な気泡からの酸素溶解を昨年度までに構築したソースモデルを用いて計算し, 乱流中での気泡の動揺は一般化されたランジュバン方程式を用いた気泡運動の確率モデルをラージエディーシミュレーションに導入し, 乱れ-平均流-気泡運動を相互にカップリングさせたモデルによって表現する. モデルによる計算結果は, 個々の気泡の変形に起因するマイナーな差異はあるものの, 実験結果を概ね定量的に再現した. 気泡-乱流間の力学的な相互作用は溶存酸素濃度分布の決定に深く関わっており, 乱流の影響を受けて拡散する気泡分布に応じて酸素の溶解領域が広がっていき, 溶解した酸素も気泡が引き起こす液相流速や乱れによって移流拡散していく. このモデルに自由水面からの気泡混入モデルを組み込み, ジェット下に形成される気泡乱流中の酸素輸送を計算した. 溶存酸素濃度は, はじめ気泡が混入するキャビティー周辺で高くなり, 時間とともにせん断流れと混入気泡の影響を受けて発達した乱れの影響で拡散し, 強い鉛直下向きの流れによって移流される. ボイド率と液相乱れエネルギー, 溶存酸素濃度の空間分布の相関は必ずしも高くなく, 従来使われてきたボイド率のみのパラメータでは気液混相乱流場での溶存酸素濃度分布の推定は困難であるが, 本モデルを用いることによって, 気泡乱流中の局所的, 瞬時的な水中溶存酸素濃度変化を捉えることが可能となる. 本研究では, 気泡流中の力学機構に基づく酸素輸送フラックスモデルを構築しており, その成果は近海域を対象とした定量的環境評価手法の確立に多大な貢献をするものである.
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