Project/Area Number |
11J04655
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Virology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 孝彦 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / プロテインキナーゼ / MHC class I / 細胞傷害性T細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)が、宿主タンパク質のメンブレントラフィックを制御し、宿主獲得免疫から回避するということを、HSV-1がコードするプロテインキナーゼUs3に関連付けて解明することである。申請者はすでにUs3がウイルス感染時にMHC classIの細胞表面量が抑制することを見出しており、この抑制が生体内におけるウイルス増殖にどのような影響を及ぼすのかを検証した。 得られた結果は以下の通りである。(i)野生型ウイルス感染細胞と比してUs3のキナーゼ活性消失株であるYK511(Us3-K220M)感染細胞において、MHC classIの細胞表面量抑制が減弱した。(ii)Us3によるMHC classIの細胞表面量抑制により、in vitroにおいて細胞傷害性T細胞(CTL)の活性化が抑制され、in vivoにおいてCTLの誘導が阻害された。(iii)復帰株と比べ、YK511(Us3-K220M)はマウスに感染4日後にウイルス増殖が著しく低下していたが、CD8 depletionにより、この増殖の低下が一部回復した。これらの結果は、HSV-1がUs3によってMHC classIの細胞表面量を抑制し、CTLから回避することによって、効率的なウイルス増殖を行っていることを示唆している。 YK511(Us3-K220M)はその病原性が著しく低下していることが示されており、上記の結果と合わせ、これらの性状はHSV-1ワクチンを考える上で理想的であると考えられる。実際、マウスにYK511(Us3-K220M)を免疫し、そのワクチン効果を調べたところ、免疫したマウスは野生型ウイルスに対し著しい抵抗性を示した。以上の結果は、ウイルスの宿主免疫回避機構を解明し、その機能を解除したウイルスは高い免疫誘導能を有していることを示しており、このようなウイルスが新しいワクチン開発のプラットフォームとして利用できることを示唆しており、本研究が新規ワクチン開発に応用できる可能性を示唆している。
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