Project/Area Number |
11J04749
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
若松 大樹 日本大学, 文理学部, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2011 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | クルド系アレヴィー / ヒドル崇敬 / 伝統的知識人 / 社会範疇 / 文化人類学 / グローバル化 / トルコ共和国 / 帰属概念 / 聖者崇敬 / 民族誌記述 / アレヴィー / クルド / 預言者一族 / グローカル化 / オジャク |
Research Abstract |
採用最終年度である本年度は、昨年まで継続的に行ってきたフィールド調査に対する追加的な短期のフィールド調査に加え、各種学会や研究所における研究成果発表に重点を置いた。本研究の目的は、クルド系諸語を母語とするアレヴィーと呼ばれるマイノリティの人々の間で通用している伝統的社会範疇が、グローバル化の中でいかに維持され、操作され、利用されているかを、一つの全体として、民族誌という形で明らかにすることであった。そこで、本年度は従来村落共同体で伝統的な宗教的権威として機能してきたデデと呼ばれる聖者と、都市に基盤を置き、高等教育機関で教育を受けた、アレヴィー出自の現地エリートたちとの相互作用を、ヒドル崇敬と呼ばれる独特の信仰形態をめぐる議論の中で相対化することを試みた。その過程で、グローバル化時代の民族誌的記述の試みの一つとして、伝統的知識人と現地エリートたちとの関係の相対化のみならず、欧米を中心とする外部の研究者の研究も併せて、一つの全体として相対化するよう努めた。現地エリートたちは、トルコ社会において多数派を形成するスンナ派トルコとの差異化、端的に言えば、アレヴィーをムスリムから切り離す試みを、特定の政治的思想に基づいて行っている。他方において国家は、アレヴィーをムスリムの一派と位置づけ、民族共和国としてのトルコ共和国への統合を図る。その間にあって、伝統的知識人であるデデたちは、双方からの影響を受けながら、やはり政治的・社会的状況に合わせて、伝統や宗教的儀礼の実践を変化させてきている。そうした様相が、各フィールドにおいて観察できたことは大きな成果であり、学術論文や学会発表において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、グローバル化時代の民族誌記述への試みとして、日本大学人文科学研究所『研究紀要』への学術論文の掲載をはじめ、国内・国外における各種学会における成果発表を行うことができた。また、本研究は今後、グローバル化時代における民族誌記述の役割やあり方を探求していくための、重要な知見を提供できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究によって得られた知見を活かし、今後は移民や移住といった今日的な問題により焦点を当てる。欧州や大洋州にまで広がるクルド系アレヴィーの共同体における伝統の維持・操作・利用という観点から、グローバル化と呼ばれる現象を解明する。従来の移民共同体に関する先行研究における大きな問題点の一つは、ホスト社会と移民共同体の関係のみが大きく取り上げられ、移民する前の社会に関するデータとの関連付けが不足していることである。本研究では、現地における中・長期のフィールド調査において収集した膨大なデータを収集することができた。今後の研究では、これらのデータを参照しつつ、問題をより実証的に解明していく。
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