Project/Area Number |
11J04752
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 雄一 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DCl)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 超対称性粒子 |
Research Abstract |
申請者は標準理論を超えた新物理の探索を目的としている。本年度は、スイス・ジュネーブにある欧州原子核研究機構(CERN)において、重心系エネルギー8TeVでのデータ取得を行っているLHCに記録されたデータの解析を行い、新物理の兆候を探索した。具体的には、衝突事象の中に一つの電子もしくはミュー粒子、加えて多数のジェットと大きな消失横方向運動量を持つ事象をターゲットにして、超対称性粒子が生成されたような兆候を探った。 データ取得は順調に行われ、重心系エネルギー8TeVにおいて約20/fbもの積分ルミノシティを得ることが出来た。これに合わせて解析手法も大幅な更新を行い、発見感度の向上を目指した。 解析は基本的に、標準理論事象を考慮したシミュレーションから予想される形状分布や事象数を、実際に取得されたデータと比較することで行われる。もし両者の間に有意な差があれば、それが標準理論を超える新物理の発見となるわけだが、その為にもシミュレーションの高精度化・高信頼化は欠かせない。しかし、超対称性粒子探索で着目されるような高エネルギー極限でのシミュレーションの振る舞いは、まだ十分な検証がなされたとは言えない。そこで申請者は、取得されたデータを用いて、シミュレーションの検証を行い、解析へのフィードバックを行った。これにより超対称性粒子に対する発見能力は従来よりも一層の向上を遂げ、将来新粒子の兆候が見られた際にも高い信頼度で確認作業が行えるようになった。 解析の結果、取得されたデータはシミュレーションによる予測と矛盾なく一致し、残念ながら新粒子の発見には至らなかった。そこでこの結果をmSugra模型の枠内で解釈したところ、スクオーク質量1.5TeV、グルイーノ質量1.2TeVの制限を得た。またごく一部の特殊な模型を除いて、広く一般的な制限として、グルイーノ質量に1. OTeVの制限を付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は予定通り完遂し、これまでに取得されたデータを使った解析結果を2013年末に得ることが出来た。現在、論文の執筆に関する仔細を議論しており、出版されるまであと数ヶ月程度を要する予定である。とはいえ研究自体はすでに完了しているため、若干の遅れはあるものの、おおむね順調に進展していると評価する。 本研究課題は平成25年度が最終年度である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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