Project/Area Number |
11J05080
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中島 恭平 新潟大学, 自然科学系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 原子炉 / 素粒子 / Double Chooz / 混合角 / θ13 |
Research Abstract |
〈研究目的〉 ダブルショー実験は、2011年以前まで未測定であったニュートリノ振動における混合角θ_<13>の測定を目指す原子炉ニュートリノ実験である。原子炉からの距離が異なる2箇所(前置:400m、後置:1050m)に同一構造の検出器を設置し、原子炉および検出器由来の不定性をキャンセルしつつ、高い精度でニュートリノ数の変化を捉えることを目的とする。ダブルショー実験では後置検出器のみの測定で0.06(測定期間1年半)、2台の検出器による測定で0.03(測定期間3年半)まで(90% C.L.)迫ることが可能である。 <研究実施状況> 2012年度は引き続き後置検出器のみのよるデータ測定を継続し、解析手法の改善やこれまでと異なる検出チャンネルによるθ_<13>の測定を行った。2012年6月の国際会議にて、Double Choozとして2度目の公式結果の発表が行われた(Phys.Rev.D.86,052008)。この解析では前回の解析と比較して統計量が約2倍になっており、エネルギー較正の改善や新しいバックグラウンドカット法の導入などが行われた。最終的にsin^22θ_<13>=0.109±0.030(stat.)±0.025(syst.)と測定された(参考:前回の結果はsin^22θ_<13>=0.086±0.041(stat.)±0.030(syst.)である)。さらに他の実験と比較したDouble Chooz実験の特色として、低放射線環境を利用した別検出チャンネルによるニュートリノ観測がある(水素による中性子捕獲によるニュートリノ反応)がある。この解析では約2倍の独立なニュートリノ信号が得られる反面、検出器の有効領域を広げたことによって特に偶発事象が約300倍に増加し、またターゲット陽子数・検出効率・エネルギースケールといった系統誤差も増加する。筆者は特にバックグラウンド解析に重点的に取り組み、大幅に増加した偶発事象を0.2%の精度で見積もることに成功した。最終的にθ_<13>は、sin^22θ_<13>=0.097±0.034(stat.)±0.034(syst.)と測定され、論文に投稿中である(arXiv:1301:2948)。この結果はGd解析の結果と一致するものであり、一つの検出果で独立にそれぞれの結果を検証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダブルショー実験は2012年度に引き続き後置検出器のみによるデータ測定を継続しており、2012年6月に約1年分のデータ解析による結果を発表した。また水素による中性子捕獲事象を用いたニュートリノ解析による結果も論文に投稿中であり、2011年4月のデータ取得開始から順調に結果を公表できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は前置検出器の建設が始まる予定であり、それと平行して後置検出器の結果をまとめる必要がある。具体的には従来まで行われていたGdによる中性子捕獲反応を用いた解析と、2012年度新たに行われた水素による中性子捕獲解析の両解析を組み合わせ、・さらにθ13の感度向上を目指す。そのために、水素解析ではよりバックグラウンドを落とすためにイベントセレクションの最適化を行い、またGdと水素解析間の様々な相関を考慮した解析を行うことにより、エネルギーやバックグラウンド量といった系統誤差を抑えていく必要がある。
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