Project/Area Number |
11J05556
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
住吉 篤郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 六方晶窒化ホウ素 / リチウム / 層間化合物 / X線回折 / 電気伝導 / 電子顕微鏡 / EELS |
Research Abstract |
本研究の目的はアルカリ金属ドープしたホウ素系固体について作製条件を探索し、構造物性を明らかにすることである。1年目の研究結果によりLi_3N/h-BN系の混合熱処理でh-BN層間にLiを挿入したLi-BNIC相がLi_3BN_2との混相として再現性良く生成することを見いだした。2年目の本年度は、作製試料のSPS焼結バルクの電気伝導率測定、共同研究によるTEMによる構造観察とEELS測定からLi-BNIC相の構造と電子状態について測定を行った。 構造面では、TEM観察とこれまでのXRD、Rietveld解析の結果から、ステージ1のLi-h-BNIC生成と乱層化によるBN積層の2層周期性消失が分かった。また、Li-h-BNICの一部で面内方向に非整合なBN原子層と層間Liの周期構造の存在が示唆された。 電気伝導率測定ではLi-pBNでh-BNから7桁向上し、可変領域ホッピング伝導的温度依存性が確認されていた。一方でLi_3BN_2,Li-h-BNIC混相の電気伝導率はLi_3BN_2のイオン伝導の文献値にほぼ一致し、Li-pBNより低くLi-h-BNIC相の伝導パスが繋がっていないと考えられる。 Li-h-BNIC相のTEM-EELS測定では、Low-Lossスペクトルでh-BNより約1eV小さいバンドギャップを観測し、B-K吸収端Core-LossスペクトルではFemi Edgeは見られなかった。また、N点欠陥の存在が示唆された。物性解析の結果から、本研究のLi-h-BNICは金属でないと考えられる。 以上から、本研究ではバルクスケールの周期構造をもつ初めてのアルカリ金属h-BN層間化合物であるLi-h-BNICを創製し、構造物性解析から確認した。この結果は層間にドープされたh-BNの材料としての可能性について従来より検討が容易な系を見いだしたことに意義がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)