Project/Area Number |
11J05693
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物物理・化学物理
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Research Institution | Institute for Molecular Science (2012) Nagoya University (2011) |
Principal Investigator |
森 義治 分子化学研究所, 理論・計算分子科学研究領域, 特任助教
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 分子シミュレーション / ATP合成酵素 / 第一原理計算 / 拡張アンサンブル法 / プロトン移動 / 焼き戻し法 |
Research Abstract |
ATP合成酵素における化学反応を理解することは生物学全体として重要なことである。この反応を理解するためには第一原理分子シミュレーションを実行する必要がある。そのような系に使用することができる拡張アンサンブル法を開発し分子系に適用する研究を行った。 はじめに,量子力学的な方法を用いた分子動力学シミュレーションを実行することができるプログラムを採用した。そのプログラムに,新たに開発した拡張アンサンブル法である焼き戻しアンブレラサンプリング法を実装し,効率的なサンプリングを可能とした第一原理分子動力学シミュレーションプログラムを作成した。 次に,われわれが作成したプログラムを用いて実際に効率のよいシミュレーションが実現できることを示すため,水中のマロンアルデヒドのプロトン移動反応において計算を試みた。つまり,拡張アンサンブル法を用いた第一原理分子動力学シミュレーションを実行することにより,水中のマロンアルデヒドにおける分子内プロトン移動反応に関する正確な反応自由エネルギー曲面を計算できることを示した。 この研究では,特定の反応座標を効率よくサンプルできる拡張アンサンブル法,焼き戻しアンブレラサンプリング法,を使用した。このシミュレーションの結果,エネルギー障壁が高い遷移状態に関しても十分なサンプリングができ,化学反応における自由エネルギー曲面を正確に計算できることが分かった。また,この研究では実際に水分子を含んだシミュレーションを行ったことから,溶媒に関する解析を行うことにも成功した。この研究成果は,学術論文誌「Physical Review E」より出版された。 第一原理シミュレーションを使用した生体系の化学反応を理解するための効率的な方法を示すことができた。この方法により,ATP合成酵素内の化学反応を理解することができると期待される。つまりATPと水分子の加水分解反応を分子シミュレーションにより理解することが可能となるだろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)