Project/Area Number |
11J06270
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 範之 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 不斉有機触媒 / ヘテロアレーンスルホニル基 / 脱炭素型マンニッヒ反応 / AG041R / 有機触媒 / 分子内水素結合 / 脱炭酸マンニッヒ型反応 / 不斉四置換炭素 |
Research Abstract |
近年の精密有機化学をさらに高度なレベルへと高めるためには、不斉空間の効率的制御が非常に重要となる。不斉空間の制御は,最近まで金属錯体触媒を用いる手法が中心となって発展してきたが、近年、グリーンケミストリーの観点から不斉有機分子触媒が注目されている。この観点から非常に高機能性を発現する新規不斉有機触媒の開発を行い、現在では困難とされている四置換不斉炭素の構築を達成した。また鉱物担持による触媒回収再利用法の一旦も示すことができたため、今後はこの不斉有機触媒のさらなる高機能化、不斉空間の効率的制御に関するブレイクスルーを図りたい。上記の研究背景、目的のもとで実験を実施し得られた研究成果を以下に示す。近年、シンコナアルカロイド類はヒドロキシ基の水素結合を通して反応制御に重要な役割を果たしていることが明らかとなり、酸塩基複合型触媒として注目を集めている。今回、私は先に行ったヘテロアレーンスルホニル基をプロリン骨格に組み込む研究により反応活性・立体選択性の向上が可能となることを見出しており、シンコナアルカロイドにおいても、この分子内配位型の概念を利用することにより、高度な不斉反応場が構築できるのではないかと考え不斉有機触媒の設計・合成を行った。新規に開発したヘテロアレーンスルホニルキナアルカロイドを触媒としてケチミノイサチンに対する脱炭酸型マンニッヒ反応を検討することにより、目的とする脱炭酸付加物を最高83%eeで与える事を明らかにした。また生理活性物質AG-041Rの初の有機触媒的な不斉合成に成功した。新規に開発したヘテロアレーンスルホニルグアニジンを触媒としてケチミノイサチンに対するβ-ケト酸の脱炭酸型マンニッヒ反応を検討することにより、目的とする脱炭酸付加物を最高88%eeで与える事を明らかにした。今後適切な合成的変換を行い有用な生理活性物質などへの誘導も行いたい。
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