Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究の目標は, 安全性と効率性を高いレベルで兼ね備えた公開鍵暗号の設計である. 今年度の研究では, 従来の公開鍵暗号の拡張である放送型暗号や, 属性べース暗号の研究を中心に行った. 特に, 大きく分けて, (1)従来の鍵属性ベース暗号の効率性の改善と機能の拡張, (2)既存の放送型暗号の安全性証明の別証明の提案, に関する成果を得た. より詳しくは, (1)に関しては, 従来方式の中で最も暗号文サイズの小さい非単調鍵ポリシー属性ベース暗号の提案, 従来よりも暗号文や公開鍵サイズの小さい判定双線形ディフィー・ヘルマン仮定に基づく非単調な鍵属性ベース暗号の提案, 非単調で暗号文や秘密鍵の属性に一切の制限がない初めての暗号文/鍵ポリシー属性ベース暗号の提案などを行った. この研究で提案した方式は, 高い効率性と柔軟性を併せ持ち, クラウド技術との相性も良いため, 実社会での応用も可能ではないかと考えられる. これらの成果は国際会議PKC2014に受理が確定しており, 3月末にブエノスアイレスで発表予定である. また, NHK技術研究所と産業技術総合研究所との共同研究において, 区間属性ベース暗号という概念を新たに提案し, また実際にその概念を満足するような方式を効率的に構成する方法を示した. (2)に関しては, Boneh, Gentry, Watersによって2005年に提案された放送型暗号の新しい安全性証明を示した. 従来は, 強ディフィー・ヘルマン仮定という数論仮定の下で, 安全性が証明されていた. 本研究では, 新しい数論的仮定を導入し, その仮定の下で放送型暗号の安全性を証明した. さらに, その数論仮定は, 従来の強ディフィー・ヘルマン仮定よりも弱い仮定であることを証明した. これは, 本研究では従来よりも強い主張を証明することに成功していることを意味し, 彼らの方式の安全性をより高い段階で保証するものとなっている. この成果は, 11月に那覇市で開催した国際会議であるIWSEC2013のポスターセッションにて発表を行い, best poster awardを受賞した.
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