昆虫の昼行性・夜行性に関わる概日時計機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
11J06431
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
瓜生 央大 岡山大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 昼行性 / 夜行性 / 時計遺伝子 / 末梢時計 / 中枢時計 / 視葉 / 視葉外組織 |
Research Abstract |
フタホシコオロギは成虫脱皮に伴い昼行性(幼虫型)から夜行性(成虫型)へとリズムの位相が逆転する。本研究では、この昼行性から夜行性への逆転の機構を明らかにする事を目的とし、本年度は以下の2点を重点的に行った。 (1) 時計遺伝子として提唱されているrev-erb (E75)、ror (HR3)のDNA断片の情報を取得し、これらについてRNAi、q-PCRで機能解析を行った。E75, HR3のdsRNAをフタホシコオロギの8齢幼虫にインジェクションしたところ、その後成虫へと脱皮できなかった。また、成虫にインジェクションしたところ、活動リズムが不明瞭になっていった。これらの結果から、E75、HR3はフタホシコオロギにおいて発生と概日時計に関わる遺伝子である可能性が示唆された。 (2) これまでの成虫と幼虫の時計遺伝子の発現解析から、中枢と末梢組織でのリズムはほぼ同位相であるが、末梢組織での時計遺伝子の発現レベルに大きな違いが見られた。ゆえに、幼虫と成虫とで末梢時計の自律性に違いがあるのではないかと考え、中枢時計が存在する視葉を切除し時計遺伝子の発現を幼虫と成虫とで比較解析した。その結果、視葉を切除した場合、成虫では視葉外組織での時計遺伝子の発現リズムは見られたが、幼虫では見られなくなった。っまり、昼行性であるフタホシコオロギ幼虫の末梢時計の自律性は弱く、夜行性である成虫となる際に強くなっていく可能性が示唆された。 これらのことから、昼行性(幼虫型)から夜行性(成虫型)へのリズム逆転は、概日時計の分子メカニズム自体の変化ではなく、より下流の因子(時計からの出力系)の変化が関与している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り遺伝子レベルでの幼虫と成虫との比較検討を進めてきている。また、新規時計遺伝子の取得にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果により、概日時計に注目したリズムの逆転現象の解析はおおむね完成しつつある。今後、リズム逆転のメカニズム解明には時計機構の出力に関する解析、研究を進める必要がある。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)