Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究の最終的な目的は微生物によるリン等の資源濃縮回収システムの開発である.我々の研究グループは余剰汚泥としてではなく高濃度リン濃縮液として回収する事でエネルギーを使わない画期的なリン回収を考案している.本年度は,実排水を用いた長期通水試験を行い,一貫したリン回収システムの確立と処理性能及びエネルギー,コスト評価を行った. 1.リン資源濃縮回収システム完成させるための具体的な研究フローとして、実排水を用いたプラントスケール実験を2年間継続して行った.その結果、低濃度にリンが含まれた下水から約20倍のリン濃縮液を回収する事ができ,研究実施計画に記していた一貫したリン回収システムを達成する事ができた.一方で,春から夏にかけての気温変化によりリン回収性能が安定しないといった問題が発生した.この原因として,リン蓄積微生物(PAOs)の代謝を阻害する亜硝酸の発生,硝化反応によるpHの低下が考えられた.また,実施した処理場は硫酸イオン濃度が高く,硫酸還元細菌が過剰に発生し,PAOsと基質競合している可能性が示唆された.そこで,PAOsへの有機物負荷をコントロールし,硫酸還元菌を取り除いた.更に,脱窒工程を取り入れ,硝化反応を抑制した結果,リン除去能力の回復が見られ,安定した処理が可能である事が示唆された. 2.これまで,実用化を目指すための次のステップとして海洋性PAOsの機能解明を行う必要があると考え研究を進めてきた.その結果,海洋性PAOsの培養に成功し,耐塩性についての評価を行った.更に,海洋性PAOsが集積された微生物について特性を明らかにするためメタゲノム解析を行った. 3.嫌気好気法により希少資源であるレアメタルの排水からの濃縮回収が可能であると考え,実験を行った.その結果,微生物による回収は実証されたが,処理は安定せずいくつかの課題が残った.
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